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米中の貿易戦争、どうなる? 覇権争いが世界経済に影

2019/4/29

米国の対中国のモノの貿易赤字は縮小傾向にある(中国・上海)

米国と中国の貿易戦争に、世界中が振り回されているわね。トランプ大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席の首脳会談で打開を目指すらしいけれど、それで問題が解決するのかしら。

米中貿易戦争の現状と行方について、内田厚子さん(68)と中村智子さん(39)が小竹洋之編集委員に聞いた。

――米中の貿易戦争はどのくらい深刻ですか。

米国は中国からの輸入品2500億ドル(約28兆円)に高関税をかけました。中国による知的財産権の侵害を理由に制裁を科し、貿易不均衡の是正にもつなげようとしたのです。中国もこれに報復で応じ、米国からの輸入品1100億ドルに高関税をかけています。

二大経済大国が高関税をかけ合う異常な状態は世界経済も圧迫しています。国際通貨基金(IMF)によると、世界の実質成長率は2018年の3.6%から19年には3.3%に減速する見通しです。日本も戦後最長の景気回復に暗雲が垂れ込めてきました。

――話し合いで解決できないのでしょうか。

トランプ氏と習氏は18年末の会談で、貿易戦争の打開を目指すことで一致しました。この合意に基づいた閣僚級の協議が大詰めの段階を迎えようとしています。最終的には両首脳の会談で決着させたい考えですが、交渉の行方はまだ予断を許しません。

中国の輸入拡大や通貨安誘導の抑制では一定の成果が得られ、中国の知財侵害や技術移転の強要を防ぐ措置でも多少の進展がみられるようです。ただ巨額の補助金を投じるハイテク産業の育成計画「中国製造2025」をはじめ、中国の根幹にかかわる産業政策の見直しについては、そう簡単に折り合えません。

最大の焦点は双方が課した関税をどこまで撤回するかです。米国は合意事項の確実な履行を迫るため、段階的に撤回したいところですが、中国は即時撤回を求めて譲りません。米国は中国の合意違反に一方的な制裁を科す罰則条項も要求し、これに反発する中国と対立しているようです。

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