ライフコラム

梶原しげるの「しゃべりテク」

コメントで「思い」を連発 万能言葉が意味をぼやかす

2019/4/25

■英語にもある「万能言葉」

友人が通う通訳学校(英語)では「とっさに適切な表現が思い出せないときの、非常時テクニック(裏技)としての「英語版、万能言葉」を教えてくれるそうだ。

「昨日インターネットをしました」
「彼は大きな家に住んでいます」
「ごちそうさまでした」

一見、何の関係もなさそうだが、どれも「楽しさ」にからんでいるとわかれば、「enjoy」の一言で対処できるというのだ。

I enjoyed the internet yesterday.
He enjoys a big house.
I enjoyed the meal very much.

「映画に行った、サーフィンした、デートした、10連休を過ごした」も「enjoy」でOKとなる。「あー」「うー」と、言葉に詰まって会話が続かない状況を避けられそうだ。

「改良する」という意味でおなじみの動詞「improve」もよくなった状況を表す「万能言葉」として役に立つという。

「大統領は国を発展させた」
The president has improved the country.

「医者のおかげで彼の容態はよくなった」
The doctor has improved his condition.

売り上げも関係性も英語力も「よくなる」とくれば、迷わず「improve」というわけだ。

■便利な表現は使いすぎに注意

彼の先生はこう言うそうだ。「外国語(英語)で、私たちnon-nativeが話そうとすると、適切な単語が思い出せず、一瞬、ウッと詰まることがある。そんなときは、いろんな状況、場面を、一つの言い回しで表せる『万能言葉』を知っておくと役に立つ」

先生はさらに言う。「万能だからといって、決しておかしな表現ではない。実際にネイティブスピーカーも使う。だから、自然に口をついて出るまで練習すること」

でも、むやみに甘やかすわけではない。先生は必ず、こう、釘をさすのだそうだ。「万能言葉だけで済ます『手抜き学習』では英語は上達しない。当然ながら、場面、状況に最もふさわしい単語、表現の蓄積を最優先に」

「万能言葉」として便利な(便利すぎる)「思い」を使用する際、思い出したい話だ。さて、本題に戻ろう。

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