ビジネスを邪魔する「口臭リスク」 アプリで自動判定
ライオン イノベーションラボ 尾本さよさん
ライオンの尾本さよさんは口臭リスクを判定するスマートフォンアプリの開発に取り組んでいる
虫歯や歯周病に加え、オーラルケア分野で関心が高いのが口臭だ。ライオンが開発を進めているスマートフォンアプリ「RePERO(リペロ)」は口臭リスクを舌の画像から判定する。プロジェクトの中心的な存在である、イノベーションラボの尾本さよさんに話を聞いた。
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会話の途中で自分の口の臭いが心配になったり、他人の口臭が気になったりしたことはありませんか? ライオンが近年注力している分野のひとつが口臭ケアです。2017年に「口臭科学研究所」というウェブサイトを開設し、口臭リスクを客観的に測定できるスマートフォンのアプリ「RePERO(リペロ)」を開発中です。
口臭の原因は生理的要因(口腔内の汚れが一因)、病的要因(歯周病などの疾患が関連)、外的要因(食べ物やアルコールなどの摂取)など様々ありますが、90%以上は胃や肺ではなく、口の中に原因があります。そこで私たちは「舌苔(ぜったい)」に注目しました。
舌苔とは舌の表面に付着する白い汚れのように見えるもの。細菌や口腔粘膜がはがれ落ちたもので、これが口臭の原因になります。
AIが口臭リスクを舌画像から判定
「RePERO」は、舌の画像を撮影して判定ボタンを押すと、人工知能(AI)を活用して導き出したアルゴリズムによって5段階で口臭リスクを判定する仕組みです。判定結果とともに口臭ケアの方法や口臭に関する豆知識などを提供します。
「RePERO」はまずBtoB(企業向け)サービスとしてデビューする予定です。なぜBtoBかというと、様々なヒアリング調査をするなかで「店員の口臭が気になって買い物を楽しめなかった」「口臭のせいで会議に集中できなかった」といった声があり、ビジネスシーンでの口臭ケアの重要性を感じたからです。