ビジネスを邪魔する「口臭リスク」 アプリで自動判定ライオン イノベーションラボ 尾本さよさん

必要だったのは「こっそり撮影」に適した機能

とくに口臭ケアが売り上げやブランディングに直結するのが接客業です。そこで百貨店の協力を得て、50人の接客スタッフに「RePERO」を実際に使ってもらう実証実験を行いました。

すると、事前に想定していた撮影方法や環境と、実際の使用状況が異なり、判定が困難になるケースが多発しました。多くの人が職場のトイレの個室や物陰などでこっそり撮影していたため、舌の画像をうまく撮影できていなかったのです。そこで実証実験で得られた結果を踏まえ、精度を向上させるためにアルゴリズムを改良しました。

実証実験を踏まえて、アプリの使い勝手を高めてきた

このほかにも、撮影音をなくし、画面のどこを触ってもシャッターが切れるように工夫しました。アプリ使用中に突然人が来たときに撮影した画像を見られないようにするため、すぐに画面を真っ白に切り替えられるボタンも設けました。実際に接客業の現場で使ってもらったことにより、多くの改善点が見つかり、大幅に機能をブラッシュアップできました。

実証実験を行うなかで注目したのが、日常的に口臭リスクを判定することで生まれる気持ちの変化です。口臭の問題はデリケートで、親しい間柄でも話題にしづらいものです。

口臭のせいで、発言や態度にダメージ

「RePERO」は見えないリスクを見える化するツールであり、口臭をなくせるアイテムではありません。口臭ケアにはまず口臭について「気づき」を得て、口臭チェックを習慣化することが大事です。それを担うのがこのアプリだと思っています。

私たちは職場や家庭で日々会話をたくさんしながら暮らしています。豊かな暮らしにコミュニケーションは欠かせません。しかし口臭に不安があると、つい顔をそむけてしまったり、口ごもってしまったりします。

「RePERO」によって口臭ケアが日常化し口臭の不安が減ることを通して、多くの場面でコミュニケーションが活性化することが私たちの願いです。いずれはBtoBだけでなく、個人でも利用できるようにしたいと思います。

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