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「ラーメン館」に見切りをつけ「日高屋」に業態転換した1号店はいまの成長の原点(東京都新宿区)

「ラーメン館」に見切りをつけ「日高屋」に業態転換した1号店はいまの成長の原点(東京都新宿区)

ラーメン店「日高屋」の創業者、神田正・ハイデイ日高会長の「仕事人秘録」。神田氏の個人的な「勘」で決めるという、出店場所選びの秘密を明かします。

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立地のよしあしを自分の五感で判断して、400店近くまで店を増やした。

店を出し始めた頃はインターネットはもちろん、情報誌もろくにありませんでしたから、物件は歩いて探すしかなかった。しかも自分で鍋を振っていましたから、寝る間を惜しんで、見て回りました。

なぜ勘が働くか、と考えることがあります。失敗をゆるされない崖っぷちに立って出店してきましたから、しかも30軒、40軒くらいまでは一つも失敗していませんから、そういう経験が糧になっています。筆頭株主だから、というのもあります。失敗はすべて自分に跳ね返るし、責任を負いきることもできます。

出店は、失敗したら3000万円ほどもドブに捨てることになるので、バクチのような要素があります。合議で決めるようなものではありません。民主的に決めたら、結局誰も責任を取りませんから。相談して、否定的な意見が出れば、決断が揺らぎます。だから物件を見に行くのも決断するのも、独りです。

「何かあったら大変だから、物件の下見に行くときはお供を連れてくれ」と社内で言われていますが、断っています。勘が鈍るから。

人を連れて歩くと情報収集にも支障を来します。例えば、前の入居者がまだ営業していれば、そこで働くアルバイトに声をかけます。客層、客の入りがいい時間帯や曜日、酒を出す店ならどのくらい売れるか、など。近くのライバル店も訪ね、同じように尋ねます。気さくに話しかければ、大事な情報をあっさりしゃべってくれるものです。若い人を連れて歩いたら、いかにも調査をしているようで警戒されてしまいます。

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