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なぜあいつが部長に 「リーダー選び」にはワナがある 第22回 代表性バイアス

2019/4/17

リーダー選びに際しても同じです。人物の中身を吟味するのは手間がかかり、外見や印象が判断に影響を与えます。ややもすると、多くの人が思い描く典型的なリーダーのイメージに合った人を選びがちになります。これを「代表性バイアス」と呼びます。

たとえば、私は根っからの関西人なのですが、講演のときはほぼ標準語で話をします。そのほうが相手を選びませんし、論理的な説明をするのに便利だからです。それに、中高時代に放送部で標準語を練習させられ、どちらでもスイッチできます。

ところが、「大阪の人なのに関西弁じゃないんですね」と必ず言われます。日本全国どこに行っても関西弁で押し通すのが、典型的な関西人のイメージだからでしょう。実際には、進学や就職で上京した多くの関西人は、標準語を話すようになるのに(そういう輩を関西では「魂を売った」といって揶揄=やゆ=します)。

逆に、私が少しウケる話をすると、「さすが関西人ですね」と褒めてくれます。まさに代表性バイアスのなせる技です。そう言われると、相手の期待に応えたくなり、コテコテ関西人のイメージに拍車をかけてしまうのが哀しい性なのですが……。

■リンダはどちらの可能性が高いか?

なかには、「私はそんなステレオタイプなものの見方はしないよ」と言う人がいらっしゃるかもしれません。そんな方に格好のクイズがあります。心理学者のA.トベルスキーとD.カーネマンが発案したリンダ問題です(D.カーネマン『ファスト&スロー』)。

リンダは31歳の独身女性。外交的で大変聡明(そうめい)である。専攻は哲学だった。学生時代には差別や社会正義の問題に強い関心を持っていた。また、反核運動に参加したこともある。

次のうち、どちらの可能性が高いと思いますか? リンダは銀行員である。リンダは銀行員で、フェミニストの活動家でもある。

皆さんはどちらを選びましたか。ちなみに、このテストを複数の主要大学の学生に実験したところ、85~90%が二番目の選択肢を選んだそうです。

確かに、リンダに関する個人的な情報から抱く典型的なイメージはその通りです。直観的に判断すれば、二番目を選ぶのが自然です。

ところが、銀行員の数と銀行員兼フェミニスト活動家の数を比べれば、前者のほうが圧倒的に多いはずです。銀行員のごく一部の人しかフェミニストの活動家になりませんから。

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