なぜあいつが部長に 「リーダー選び」にはワナがある第22回 代表性バイアス

したがって、どちらの可能性が高いかと問われれば、単なる銀行員であるほうがはるかに高くなります。合理的に考えれば一つ目の選択肢にしかなりません。

こんな単純な問題でも、ステレオタイプに惑わされ、判断に影響を受けてしまいます。代表性バイアスを軽く見てはいけないわけです。

イメージにピッタリ合ったら警告を鳴らす

代表性バイアスは、なくそうと思っても簡単になくせるものではありません。代表性バイアスにだまされていないか都度疑い、常に合理的に考えるようにするのが理想的です。でも、そんなことをしたら疲れてしまいます。

だったら、せめて「いかにも……」と思わせる“どストライク”が来たときだけでも、眉に唾をしてみてはいかがでしょうか。

リーダー選びの例で言えば、ヒーロー物の映画から抜け出てきたような、大柄で物おじせず優しいまなざしの人が候補にいたら、警告ランプを点灯させます。代表性バイアスが働く恐れがあるからです。安易に飛びつかずに、少し冷静になって判断するのが無難です。

仕事上の問題解決においても、いかにも自社や競合がやりそうなアイデアや、世間で流行っているような典型的な成功パターンが見つかったら、やはり注意が必要です。あわてて飛びつく前に、他の可能性がないか、今一度探索をしてみることをお勧めします。

代表性バイアスは必ずしも悪いものではありません。うまく使えばスピーディーに意思決定や問題解決ができます。相手の代表性バイアスを逆手に取れば、自分に有利な方向に持っていくこともできます。背の高さをアピールしてリーダーの座を狙う、といったように。逃れられないものである以上、自分なりのつき合い方を見つけていくしかありません。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

堀 公俊氏・組織コンサルタントが講師を務めるスキルアップ講座/日経ビジネススクール

組織変革、業務改善に欠かせないワークショップの成果を引き出すファシリテーション能力、問題解決のフレームワーク思考力を高める

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