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ニッキィの大疑問

年金額はどう決まる? 月22万円のモデル世帯とは

2019/4/15

――現役世代は公的年金で損をしそうな気がします。

年金は長生きやケガ・病気、大黒柱の死亡といったリスクに備える保険で、本来は損得を考えるものではありません。とはいえ、厚生労働省の試算では、一般的な寿命まで生きるとすると、自分自身が払う年金保険料の合計額より生涯に受け取る年金額が多くなります。年金財源の半分は税金や事業主負担分で、加入者の直接的な負担は半分だからです。

死ぬまで受け取れて、物価が上がればある程度は受給額も増える公的年金のような仕組みは、民間でつくるのは困難です。最大限に活用することを考えましょう。

しかし年金財政が予想より悪化すれば、こうした期待も裏切られてしまいます。財政健全化に向け、いっそうの制度改正が必要になります。ベースの改定率がマイナスでもマクロ調整スライドを適用できるようにする、厚生年金に加入するパートなどの短時間労働者を条件緩和で増やすといった案を早期に実現することが大切です。

――安心な老後のためにどう備えればいいですか?

一つは公的年金をなるべく増やすため、できれば共働きで長く働くことです。例えば夫婦が65歳まで男女の平均的な収入で共働きすると、19年度の受給額は月約30万円に増えます。高齢夫婦世帯の家計支出より4万円弱多くなり、生活にゆとりができます。また原則65歳の受給開始年齢を遅らせると月0.7%増額されます。70歳まで待てば死ぬまでずっと42%増えます。

もう一つは自分で老後資金を増やす努力です。個人型確定拠出年金(イデコ)や、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)など非課税制度も有効です。

■ちょっとウンチク

NISAやイデコで資産増やす

つみたてNISAは年40万円が上限。企業年金のない会社員のイデコは年27万6000円。計67万6000円を世界全体の株や債券に連動する投資信託に20年間積み立て投資し、年3%の利回りが得られたとすると、税金還付効果などもあり2000万円弱になる。年3%は過去数十年、世界の株中心に投資した結果と比べ控えめだ。世界経済とともに資産の成長も見込める。

長寿時代の最大の安心策は、生涯もらえる公的年金の額を増やすこと。自助努力でリタイアまでに2000万円用意できれば、年金増額に向けた受給繰り下げの際に生活費を補てんできるだろう。

(編集委員 田村正之)

■今回のニッキィ
丸山 小百合さん 銀行勤務。草月流の華道を学び、3月に日本橋高島屋での展示に参加した。最初は難しかったが「個性を大切に、人を癒やせる花など、思いを表現できるようになってきました」
佐藤 香織さん 結婚相談所カウンセラー。児童虐待防止法改正案が気になる。体罰はよくないが、いけないことを乳幼児にどう理解させるか。「線引きに迷い、育児の難易度があがらないか心配」

[日本経済新聞夕刊 2019年4月8日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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