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昔は緑や青だった 入試過去問題集「赤本」の意外な素顔

2012/7/7

大学入試の過去問題集で代表的存在の「赤本」。書店で手にしたところを悪友に見られ「おっ、おまえ、東大受けるのか?」と冷やかされたり、心中深く志望校への決意を固めたり……。店頭には2013年版が並び始めたが、あの膨大な数の問題はいったい誰が解いているのだろう?

■社名を使い分ける

書店の店頭に並ぶ「赤本」。全大学の約半数に上る380大学をカバー(大阪市北区の紀伊国屋書店梅田本店)

表紙や奥付には教学社とあるが、正式な社名は世界思想社教学社。学術・教養書は世界思想社、赤本などでは教学社と名を使い分けている。

本社は京都市左京区。前社長の高島国男氏が世界思想社を創業したのは1948年。戦前の「滝川事件」で処分された滝川幸辰氏を口説き「刑法各論」の執筆承諾を得たのが第一歩だった。

学術・教養書だけでは経営は厳しい。そこで教師用の副読本を手始めに学習参考書分野に進出するため教学社を併設、54年に大学入試シリーズを創刊した。最初は「京大」「阪大・神大」「同志社・立命館」の3冊だった。

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手前から1957年版、74年版、2012年版。昔の方がより色味が赤かった

初期の表紙の色は実は赤だけでなく、大学ごとに緑や青などを使い分けた。オレンジ色で統一したのは10年後。さらに印刷業界で「金赤」と呼ぶ柿色にした70年ごろから、赤本と呼ばれ出した。

大学進学率の上昇とともに扱う大学、学部も増え、最新版は全大学の約半数、380をカバーする。80年代には大手の予備校などが難関大を中心に「青本」「グリーン本」で参入したが、赤本は刊行点数の多さでも優位を保つ。

少子化で生き残り競争が激しくなり、出版を依頼してくる大学もある。赤本が出ていること自体がステータス。「オープンキャンパスで配布するので買い切る」との条件が示されることもあるという。

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