自分の声を味方につける 声出しで気持ちを整える

声を出す音読には、黙読にはないメリットがいくつも指摘されている。写真はイメージ=PIXTA
声を出す音読には、黙読にはないメリットがいくつも指摘されている。写真はイメージ=PIXTA

「人前で話をするのが苦手だ」と訴える大学生や若いビジネスマンに「音読」を勧めてきた。苦手意識を訴える人の多くが「文章を声に出して伝える経験不足からくる困難」を抱えていると感じたからだ。

音読は「会話体験が少なく、しゃべりがおっくうという人をサポートするサプリメントである」というのが私の認識だ。ビジネスコーチが教える「結論から述べよ。適宜、聞き手に問いかけよ。インパクトのある数字を提示せよ」はいずれも「その通り」だと思うが、それを超えて「自分の声で自分をコントロールしながら伝えられているかどうか」が極めて重要だ。

打ち合わせ、会議、プレゼンテーションなどで求められるのは、話の組み立ての前に「発話(声出し)能力」だ。場面にふさわしい適切な声量、高低、スピード、間合いなどを会得することが「口頭コミュニケーション」のポイントとなる。

それゆえ、声の調子、話しぶりなど、「自身の発話状態」を客観的に知っておくことが求められる。「これぐらいのトーン、この程度の音量が相手の耳に心地よく、的確に届く」と体感しておくと、他者の会話にすんなり溶け込める。これが不十分だと、違和感を持たれ、その後の会話がスムーズに進まない。

自分の声を手なずける近道=音読の繰り返し

自分の声で自分をコントロールする「体感」を獲得するうえで、最も簡単で効果的な方法が「音読」だ。アナウンサーの卵たちは、徹底的な音読訓練を受け、「自分の声」と向き合うこととなる。

アナウンサーに限らず、我々の世代は当たり前のようにこの訓練を小中学生時代に受けていた。国語の授業にあった「音読の時間」だ。

「音読」とは、「(文章を)声を出して読むこと」、対義語は「黙読」。一方で「朗読」となると、「読み方を工夫して趣あるように読むこと(『広辞苑』による)」。

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