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知らないと大変!ビジネス法則

なぜ大切なことほど片付かない 仕事の優先順の勘違い 第21回 グレシャムの法則

2019/4/9

そうなると、国内の市場に出回るのは悪貨ばかりになり、良貨はいずれ流通しなくなります。これが「悪貨が良貨を駆逐する」と呼ばれる現象です。

組織の意思決定においても、ルーチンワークを悪貨に、戦略的な意思決定を良貨に見立てると、似たような現象が見られます。これが「計画のグレシャムの法則」です。

私たちの仕事は、悪貨が良貨を駆逐するように、ルーチンワークでどんどん満たされていきます。創造的な仕事が片隅に追いやられてしまいがちになるのです。そこには、貨幣のときとは異なる心理的なメカニズムが働いています。

■手間のかかることはやりたくない

分かりやすいのが会議です。たとえば、ある部門の会議で、「出張手続きの変更」と「部門内ビジョンの策定」の2つの議題が上がっていたとしましょう。

前者は、すぐにでも仕事に影響のある話で、急いで審議しなければなりません。しかも、全員に関係のある話であり、誰もが自分なりの意見が出せます。

それに対して後者は、重要ではあるものの、すぐに決めなければ業務が滞るわけでもありません。いきなりビジョンと言われても雲をつかむような話であり、取りつく島がありません。そうすると、多くの場合、「前者をさっさと片づけてから、じっくり後者をやろう」という話になります。

ところが、前者は全員の興味や関心が高く、誰もが一丁かみたくなります。平易な話題だけに、愚痴や経験話、ウンチクや冗談まで飛び出します。

その結果、議論は細部にまでおよび、たくさんの意見が飛び出すことでしょう。すぐに済ませるはずが、意外に時間が取られ、結局、後者を検討するには時間が足らなくなります。「じゃあ、次回にじっくりと」となるのがお定まりのパターンではないでしょうか。

要するに、長期的、創造的、本質的なことを考えるよりも、短期的、定型的、具体的なことを考えるほうが楽なのです。手間のかかることを敬遠したくなるのは、みんな同じです。

そのせいで、長期的な戦略、革新的なアイデア、抜本的な改革の検討が先送りになってしまいます。そうなると、ますますルーチンワークや例外処理に追われる羽目になってしまいます。

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