旅行・レジャー

耳寄りな話題

大阪・神戸・京都に「日本映画発祥の碑」 本当はどこ?

2012/6/30

 週末に映画を見ようと大阪・難波を訪れ、阪急阪神東宝グループ創業者である小林一三の顕彰碑があるのに気づいた。銘文を読むと、ここが日本映画の発祥の地、などと書いてある。だが以前に行った神戸市にも映画発祥の記念碑があった。実は京都も映画発祥の地とされているという。どういう事情なのだろうか。

■「キネトスコープ」は神戸に初めて登場

 まず向かったのは神戸市のメリケンパーク(中央区)。1987年、映画記念碑「メリケンシアター」が建立された。「発明王エジソンが開発した『キネトスコープ』が、日本では神戸で初めて上映されたことを記念したものです」。神戸映画資料館の安井喜雄館長(63)が説明してくれた。

 エジソンは、1本のフィルムに連続写真を記録する技術を1894年までに開発。この連続写真を箱に収め、のぞき穴から観賞するようにした装置がキネトスコープだ。

 日本には1896年、神戸出身の武器商らによって輸入され、神戸・花隈で同年11月25日から5日間、一般公開された。安井さんによると「好評のため公開期間は12月1日まで延長されました。これが料金を割り引く『映画の日』の由来にもなったんですよ」という。

■「シネマトグラフ」は京都に登場

 一方、京都市の旧・立誠小学校(中京区)前にも「日本映画発祥の地」の案内板が立っている。京都府京都文化博物館の映像情報室長、森脇清隆さん(50)に聞くと、「フランスのリュミエール兄弟が発明した『シネマトグラフ』の試写に1897年、日本で初めて成功した場所です」と教えてくれた。

 シネマトグラフは1894年に発明された、スクリーンに動画を映写する技術。日本には京都の実業家、稲畑勝太郎によって輸入された。

 1896年、稲畑は商用でパリを訪れ、フランス留学時代に同窓生だったリュミエール兄と再会する。その時にシネマトグラフを見せられ、「欧米事情を知らせる最良の道具」と機材を京都に持ち帰った。稲畑の自伝では翌年、「1月20日ごろから2月上旬にかけて雪の降る夜」に試写に成功したとしている。

 稲畑はさっそく2月15日、大阪・難波にあった「南地演舞場」で有料公開を始めた。小林一三の顕彰碑には「映画興行発祥の地」と記してあり、このことを指す。

旅行・レジャー

ALL CHANNEL