ライフコラム

ニッキィの大疑問

働き方ルールどう変わる? 残業上限、「同一賃金」も

2019/4/1

――働き方のルールはこれからも変わるの?

初めに触れましたが、来年4月から同一労働同一賃金という規定が順次導入されます。同じ企業の中で同じ質と量の仕事をしているならば、年齢や性別などの違い、そして正社員やパートなど雇用形態の違いに関係なく、同じ額の賃金を払わねばならないという原則です。こちらの方が企業への影響は大きいかもしれません。

雇用者全体に占める非正規の割合は18年の平均で38%になります。また非正規の平均年収は17年で175万円と、正社員の35%の水準です。そこで能力や経験が同じであれば正社員と同一の基本給を支給するなど、待遇差を縮小することにしたのです。

こうした待遇差を巡って裁判になる例もあります。長期間勤務した契約社員に退職金が支払われないのは不合理だとする東京高裁判決なども出ています。裁判を通じて労働や雇用の事実上のルールがどのように定まっていくかも注目した方がいいでしょう。

――正社員の働き方や給料の仕組みも変わるの?

正社員のあり方を見直すきっかけになるでしょう。日本では正社員の兼業や副業を禁止したり転勤命令に従わせたりする代わりに、勤続年数に応じた昇給や長期の雇用を保障してきました。ですがこうした仕組みは、日本の労働生産性が伸び悩む原因ともなっています。

同一労働同一賃金の導入は、なお残る日本型の年功賃金にメスを入れることになります。実現は簡単ではありませんが、正規と非正規の賃金制度の一本化も考える余地があるでしょう。兼業・副業の禁止や転勤命令も見直しが広がっていくかもしれません。

■ちょっとウンチク

デジタル時代への対応急げ

世界の関心は人工知能(AI)やロボットなどの普及が雇用に及ぼす影響に移っている。産業革新戦略「インダストリー4.0」を進めるドイツ政府は2016年、デジタル時代の労働政策の課題を白書「労働4.0」としてまとめた。失業前からの継続的な職業訓練やネット経由で仕事を請け負う個人の保護強化などを挙げている。

デジタル化は時間と場所に制約されない働き方を広げる。労働時間制度では働き手の自己裁量の拡大が政策課題だとした。日本の働き方改革関連法からは裁量労働制の対象業務拡大が削除された。デジタル時代に後れをとらないか心配だ。(編集委員 水野裕司)

■今回のニッキィ
斎藤 かな子さん 会社員。東京五輪のボランティアに応募し、説明会と選考会に参加した。年齢や職業も多彩な人たちが集まったのをみて「五輪の実感が湧いてきました。来年が待ち遠しいです」
酒井 あすかさん 法律事務所勤務。「クラヴ・マガ」というイスラエル発祥の護身術のジムに週イチで通う。テレビ番組で見て興味を持ったそうだが「結構ハードで、ストレス解消にもなります」

[日本経済新聞夕刊 2019年3月25日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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