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新装「アルマーニ銀座タワー」21日オープン

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究極のオーダーサロンも ぜいを尽くした店内

2019.3.21

ジョルジオ・アルマーニの旗艦店、東京・銀座のアルマーニ銀座タワーが21日、全面改装オープンする。目玉はアルマーニグループ世界最大となるオーダーサロンや上顧客向けのラウンジだ。従来以上にラグジュアリー層を意識し、店づくりでも世界中から集めた大理石を床に配するなど、高級感を重視した。新たに設ける巨大なタッチスクリーンでは、今後のデジタル戦略を見据えた新たな取り組みにも乗り出す。




世界中の大理石を床一面に

直径6メートルのロゴが目を引くアルマーニ銀座タワー(東京都中央区)

1階には時計やサングラスなどを充実、新規顧客開拓につなげる

アルマーニ銀座タワーは地下2階、地上11階で約6000平方メートル。地下鉄コンコースから直結する地下1~2階は家具・インテリアの「アルマーニ カーザ」。1~4階が「ジョルジオ・アルマーニ」のブティックやオーダーサロン、10~11階がレストランという構成。以前の黒を基調としたダークな店舗イメージを一新し、外光をふんだんに取り入れた。部屋ごとにグリーン、ベージュと、世界中から集めたという異なる大理石を敷き詰めたぜいたくな内装。シルク素材の壁紙はアルマーニ カーザのものだ。1階正面のガラスは、日本でも珍しい透明度の高い特殊ガラスを採用し、外に向けた商品のアピール度を高めた。

売り場の床には世界中から集めた大理石を配した

目玉は4階のサローネだ。コンシェルジュデスクから左右2つの部屋に分かれ、VIPラウンジとオーダーサロンがある。「品ぞろえも広さもグループでは世界最大といえるオーダーサロン。シャンパンを楽しみながらオーダーができるといったドラマチックな演出をして、お客さまの満足度を上げたい」(ジョルジオ・アルマーニ・ジャパンの笹野和泉社長)

現在アルマーニでは400種以上ある生地でコート、スーツ、ジャケットなどを仕立てているが、この2年ほどオーダーは前年比4割増と好調が続いている。銀座ではさらに品ぞろえのランクアップをすすめ、ビキューナや特殊な皮革で作る150万~250万円のジャケットのオーダーにも対応する。紳士物が主体だが今後は女性物スーツにも一段と力を入れる。ゆったりしたソファが並ぶラウンジはVIPルームという位置づけ。ミニショーやイベント、展示会などに活用する。

アルマーニグループのすべての商品情報が検索できるスクリーン

大型スクリーンに情報満載

また、1階の壁面には大型のデジタルインフォメーションボードがある。タッチすればアルマーニグループすべての商品情報、ブランドの歴史、レストランメニューなどを見ることができ、顧客がスマートフォンへダウンロードすることも可能だ。コミュニケーションを高めるだけでなく「いずれはeコマースにつなげていく」(笹野社長)といい、戦略的な役割を担っている。

「2007年に立ち上げた当時のアルマーニ銀座タワー同様、極めて革新的で野心的なプロジェクト。アルマーニスタイル、私自身のファッションビジョンを発表する場として東京はまさに理想的な場所」とジョルジオ・アルマーニ氏。笹野社長は「改装は視覚的な効果はもちろんだが、銀座タワーの改装はこれからのブランドの方向性を明確に表したものだ」としている。

(編集委員 松本和佳)

レストラン「アルマーニ リストランテ」はバーを設け、明るく開放的な空間に一新