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仕事か彼女か?「正解ない問い」に迷ったときの処方箋 人事部の視点(20)

U22×人事部

2019/3/27

写真はイメージ=PIXTA

こんにちは。エリーパワー人事部の玉井亜以子です。前回の人事部の視点(19)のテーマ「正解のない問い」。筆者の高橋実さんが提起してくださった重要なテーマにインスパイアされ、今回は私なりの視点で応えてみたいと思います。

■前回の場面設定
登場人物イシイ君は、「彼女の誕生日」の帰宅間際、担当企業への提案をまとめてくれと課長から残業を頼まれる。「彼女の誕生日」か「仕事」か。悩んだイシイ君は彼女の誕生日を選択。課長は、イシイ君の代打にタケダ君を指名。そのタケダ君の提案が先方に気に入られ、後日、担当企業の担当がタケダ君になることに。

■ベストだと思って失敗したなら自分自身を肯定しよう

「仕事を優先しないから、担当を外れることになったんだよ」「とりあえず彼女と食事をしてから、短時間で戻ってきて、提案書をまとめたらいいのでは?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も初めて読んだときは、そんなふうに思いました。しかし、よくよく考えてみると、そう思うのは、「担当を外されたという結果を知っているから」なんです。

課長から残業を頼まれたとき、担当を外されることになるとは誰も分からなかったはず。イシイ君も、分かっていれば残業や両方選ぶ選択をしたでしょう。となれば、イシイ君の選択は本当にミスなのでしょうか? イシイ君と同じ選択をする人も多いのでは? それが高橋さんの提起された「正解のない問い」なのです。

私にも内容は違っても同じような経験があります。20代の頃は、結果から逆算して「ああすればよかった、どうしてできなかったのだろう」と思い悩むことがしょっちゅうありました。選択しても「また間違えているのでは……」とモヤモヤしたり、考えすぎて、「こんなふうになってしまうのでは」と必要のない気をもんだりすることも多々ありました。

しかし30代のあるとき、「選択肢を選んだとき、本当にそれ以外の選択肢を選ぶことができたのだろうか?」と思うようになり、その選択は未熟で至らぬものだけれど、その時の私はベストな選択だと判断して行動しているのだ、ということに気づいたのです。ベストだと思って失敗しているのなら、そう考えた自分自身を肯定しよう。でも、選択から発生した結果については、逃げずに自分で回収しようと思えるようになりました。

■失敗しても何とかできる環境をつくること

「正解のない問い」での失敗を一定量経験したことで、私は、
・どれだけ経験を重ねても、失敗を繰り返さなくとも、選択ミスを0%にすることはできない
・選択肢の段階で精度を上げることに力を注ぐのではなく、失敗したときに回収できる力をつける方が私に向いているかもしれない
と思えるようになったのです。

PIXTA

そして、失敗を一定量経験したことで、もう一つ気づいたことがありました。「まさか……は急に起こらない。必ず積み重なって一定量に達したときに起こる」ということです。

友人やパートナー・家族と、ほんのささいなことでけんかになったり、それがきっかけでギクシャクしたりした経験は、大なり小なり、多くの方にあるのではないでしょうか。振り返ってみると、ほんのささいなことが原因なのではなく、お互いの小さな甘え・怠慢・我慢が積み重なっていたことが原因であり、互いの関係のほころびが真の原因であることが多いことに気づいたのです。

また、私自身も仕事やプライベートで、誰かの失敗で影響を受ける経験もたくさんしてきました。一番心に嫌な気持ちが残るのは、「言葉だけで、何の対応もされず、放置されること」。

完全にリカバーできなくとも、何とかしようと行動してくれることに誠意を感じますし、特に仕事では「この人と仕事してきてよかったな」と感心することもありました。これに気づいてから、近しい仲であればあるほど、「ごめんね」の言葉だけ済ますのではなく、必ず自分が主体となって何かしらの行動を起こすようになりました。

「正解のない問い」に対する私個人の処方箋となりますが、失敗しても何とかできる環境をつくることだと思っています。そのためには、まわりのみんなに力を貸してもらえるようになる必要があり、信頼してもらえる労力を惜しまないこと。このことに気づいてから、私は小さなことですが、「お礼とおわびは惜しまない」「進捗報告は進んで行う」「手を差し伸べられることは自分から声を掛ける」ことを信条とするようになりました。

■酸っぱいレモンから、いつかレモネードを

「正解のない問い」で思い悩む時、いつも思い出す言葉があります。

「人生が君に与えたどんなに酸っぱいレモンでも、君はレモネードに変えることができる」

20代のときは、レモンをレモネードに変えたくても、変える方法が分からないことが多く、結果としていつも酸っぱさしか感じることができませんでした。でもレモンの酸っぱさを一定量味わうことで、初めてレモネードの作り方に気づき、そして、いまだに酸っぱさに立ちつくすことも多いですが、たまにはレモネードに変えることもできるようになったかなと思えるようにもなりました。

4月から社会人になるみなさんは、これから多くの酸っぱいレモンを味わうことになるのだと思います。でも、レモンの酸っぱさを避けず、酸っぱさに慣れず、一定量を味わってください。味わったその先には、必ずあなたしか作れないレモネードの作り方が待っています。

そして、その酸っぱいレモンからおいしいレモネードで作って、あなただけでなく、まわりの人の喉も潤してください。心から応援しています!

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