休眠預金はどこへいく? 子ども支援など公益活動費に

銀行は休眠預金制度の周知を進めてきた(三菱UFJ銀行新丸の内支店)
銀行は休眠預金制度の周知を進めてきた(三菱UFJ銀行新丸の内支店)

休眠預金を活用する新しい制度が始まったそうね。「休眠」しているとされるのはどんな預金?休眠預金を引き出すことはできるのかな?どのような使い道が計画されているの?

休眠預金について、藤井智子さん(59)と杉本優子さん(61)が前田裕之編集委員に話を聞いた。

――どんな預金が休眠預金になるのですか?

1月から運用が始まった休眠預金等活用法では、引き出しや入金といったお金のやりとりがなく10年間放置された預金が休眠預金とされます。原則、2009年1月以降に最後の引き出し・入金などがあった預金が対象です。学生時代のアルバイトの給与振込口座を社会人になって使わなくなった、実家の地元金融機関に親が開いた口座を相続した――といったときに“休眠”につながる可能性がありそうです。

残高より解約手続きに出向く交通費のほうが高いので放置されることも。地方金融機関やネット銀行では、相続の対象となっても存在に気づかない口座もありそうです。

残高1万円以上の口座は、お金の出入りがなくなり9年以上たつと、金融機関が預金者に通知を原則、事前に郵送します。届けば休眠預金になりません。引っ越しなどで届かず通知が銀行に戻ってくると、休眠預金となります。

――休眠預金になったら引き出せなくなるのですか?

引き出せるので大丈夫。預金者の手続きはこれまでと同じです。口座がある金融機関の窓口に行き、金融機関の求めに応じて通帳、キャッシュカード、本人確認書類などを提示すれば、口座を解約して元本と利子を受け取れます。

金融機関からみると扱いが変わります。以前は放置された預金は雑収入に計上していましたが、19年からは預金保険機構に移管し手放します。インターネットの自行サイトに移管することを知らせる文書を掲載する「電子公告」から2カ月~1年たつと、1年分をまとめて移管します。その後は、預金者から請求があれば金融機関が立て替え払いし、後で機構からお金を返してもらうことになります。

――どうして新しい法律ができたのですか?

毎年、引き出し分を除き700億円程度が休眠預金になっています。口座の多くは少額で残高数百円も珍しくありませんが、全体では大きな額です。だれも使わないのなら公益活動の資金として活用するほうが社会のためになるのではと考えられ、新制度ができました。膨大な少額の預金口座の維持管理コストは金融機関の重荷でもありました。

預金を引き出せなくなるのではないかといった誤解から反発も大きく、構想から法律の成立まで6年近くかかりました。引き出し手続きが面倒だと感じる預金を休眠預金の形で寄付するという考え方もあるかもしれません。

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