「値上げ」多いのに上がらない 消費者物価のカラクリ
150円を超える給油所も出始めた(都内給油所)
●「値上げ」増えるも対象外で実感に差
●ネット通販が低価格競争を加速
身の回りのモノやサービスは値上がり気味だが、政府や日本銀行が掲げる「物価目標2%」は未達の状態が続いている。それはなぜなのか。日ごろ、買い物をして値段の動向には敏感な主婦の消費花子さんに田中陽編集委員が"物価"について分かりやすく解説します。
花子さん テレビや新聞で値上がりのニュースがよく取り上げられているように思えるのですが。
田中さん 日本経済新聞(朝夕刊)で2017年度に「値上げ」という言葉が付いた記事は1209件ありました。一方、「値下げ」は521件でした。16年度と比較すると「値上げ」は333件も増え、「値下げ」はわずか9件しか増えていませんでした。
花子さん 昨年はヤマト運輸が「宅急便」の料金を15%値上げしたことが話題になっていました。
田中さん 総務省が全国のスーパーなど小売店から個々のモノやサービスの物価動向を調査する消費者物価指数(CPI)によると、17年度は総合指数で前年度比プラス0.7%でした。約600品目のうち16年度を上回った(値上がり)のは全体の6割超。物価が上がっている感じはしますね。
花子さん ほんの少し前までは生鮮野菜が高くて買えなくて。
田中さん 昨年度は天候不順もあってキャベツは8.8%、白菜は7.5%も上昇しました。しかし、政府や日銀が目指す「物価目標2%」に生鮮類は含まれないのです。スーパーなどで日ごろから目にする生鮮類は値上がりや値下がりの実感が沸きますが、価格の乱高下が激しいためです。
花子さん ではどんなモノやサービスが「物価目標2%」の対象になっているのですか。