旅行・レジャー

耳寄りな話題

東京人も知っておきたい 関西流お祝い返し「おため」

2012/6/2

6月はジューンブライドに憧れ、多くのカップルが結婚式を挙げる季節だ。知人の結婚式を控えてご祝儀袋を買おうと大阪市内の雑貨店に行くと、「おため」と呼ばれる見慣れないご祝儀袋が並んでいた。「受け取った祝い金の1割分の現金を入れ、半紙と一緒に返す」と説明がある。一体どんな意味があるのか。
結婚関連商品の売り場に並ぶ「おため」(京都市下京区の京都高島屋)

■「おため」の注文、関西人だけ

「おためは関西地方の一部で残る風習です」。1905年(明治38年)創業の結納品店、大阪府岸和田市の「西安結納店」を訪れると、店主の西村隆博さん(46)が教えてくれた。同店はインターネットで注文を受けるが、おための注文は関西からしかないという。

西村さんはおためを手に取り、中身を見せてくれた。半紙の束とご祝儀袋1つが水引でくくってある。「結婚や出産、新築などの慶事があった家に祝いの金品を持っていくと、受け取った側はいったん奥へ引っ込んで祝い金の金額を確かめ、おためのご祝儀袋に祝い金の1割分の現金を入れて返してくれます」と西村さん。広蓋(ひろぶた)に載せてお祝いを持参すると、おためも同じ広蓋に載せて返すのが作法だ。

半紙の束にはどんな意味があるのか。京都の作法の研究家、岩上力さん(65)に尋ねると「『また品物を包んで贈り物をください』と、相手との縁をつなぐ意味があります」と説明してくれた。現在では、ご祝儀袋などで代用することも多いという。

■「おため」=領収書?

それにしても、受け取った祝い金をなぜ、その場で現金で返すのか。西村さんは「昔はお祝いは、奉公人や子供が持っていくことが多かった。お使いをしてくれた人に足代を渡す、という意味があったようです」と話す。

一方、岩上さんは「祝い金を受け取ったことと、その金額を相手に確認する行為でもありました。現代風にいえば領収書でしょう」との意見だ。お使いを頼んだ奉公人や子供がちゃんと祝いを渡したか、家の主人がチェックする意味もあったのだという。

旅行・レジャー 新着記事

ALL CHANNEL