2019/4/2

知らないと大変!ビジネス法則

ビールは1杯増えるごとにおいしいと感じにくくなる? 画像はイメージ=PIXTA

効用が頭打ちになったら、人はどうするでしょうか。今度は限界効用均等の法則(ゴッセンの第二法則)が働いて、同じコストでより満足感の高い活動にシフトするようになります。

たとえば、ハイボールや焼酎に切り替え、「うまい!」と新たな効用を味わいます。そして、また満足度が下がってきたら次は日本酒に。そうやって、際限なく効用を最大化しようとするため、悪酔いをしてしまうわけです。

限界効用逓減の法則は、飲食に限らず、ビジネス、人間関係、学習、遊び、金銭、健康など、生活のすべての分野に当てはまります。極端にいえば、ヒット商品がいつか売れなくなるのも、無駄遣いが止められないのも、不倫に走ってしまうのも、みな同じ。根っこのところでゴッセンの法則が働いているのです。

旬を逃さず変化を与える

限界効用逓減の法則に打ち勝つための最善の方法は「変化」です。新しいことにチャレンジして、マンネリを打破するしかありません。

知人の例でいえば、彼の気持ちに会社側が気づいて、新しい仕事を任せたり、人事ローテーションすれば、辞めずに済んだかもしれません。新たな研修を受けさせたり、社外の勉強会に参加することを勧めるなど、業務以外で変化を生み出すこともできたはずです。

このときに難しいのは、変化を促すタイミングです。あまり早すぎると、せっかく調子が出てきたのにもったいなく、遅すぎると関心がうせてしまいます。手遅れにならないよう、少し早めに手を打つのが望ましい頃合いです。

とはいえ、効用が頭打ちになるスピードは人それぞれ。ビールの話ならまだしも、仕事や趣味となると個人差が大きく、一律で考えることはできません。

世の中には、好奇心旺盛で新しいモノにどんどん手を出す多芸多才(浮気性?)な人もいれば、完璧さや熟達を求めて一つのことを追究する職人気質の人もいます。上司の大切な仕事の一つは、一人ひとりの効用曲線を把握し、今どのあたりにいるのかを常にウオッチしておくことです。

旬な時期を見逃さず、次の一手を繰り出せば、必ず相手は乗ってきます。そうやって持続的に人を成長させることが、上司の重要な役目となります。

次のページ
飽きないことも一つの才能になる