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無難か無謀か 役員会で愚かな判断が下されるワケ 第18回 集団浅慮

2019/3/19

■ありえない結論になった役員会

「そんなの、ありえないですよ!」。上司から役員会の報告を聞いて、思わず口走ってしまいました。私がある企業で経営企画部門のマネジャーをしていたときの出来事です。

業績悪化に伴い、社長からコストダウンの指示が出され、そのとりまとめを担当することになりました。2週間かけて各部門と折衝を重ね、ようやく7%のコストダウン計画ができました。その資料を上司の取締役に渡して、役員会に諮ってもらったのです。

ところが、役員会の結論は、「15%のコストダウンを目指す」というものでした。こうなってくると無理を通りこしてムチャです。品質基準を緩めるなど、不正まがいのことをやらないと、到底達成できません。一体、役員会でどんな議論をしたのか、上司に尋ねてみました。

各部門の担当役員には根回し済みなので、滞りなくプレゼンは進み、特に意見も出なかったそうです。ところが、社長の「この程度で会社の危機が乗り切れると、君たちは本当に思っているのか?」という一言で、空気が一変してしまいました。

「そうは言っても……」と誰かが弁解しようものなら、「できない理由ではなく、できることを考えろ」と言われ、黙らざるをえません。そのうちに、「だったら、ウチはさらに1%上積みします」と威勢のよい役員が現れ出し、列車に乗り遅れまいと次々と他の人も……。

そうやって、根拠のない数字を足し合わせると、提案の2倍以上の15%に積み上がった、というのが事の顛末(てんまつ)でした。「みんながやるというのを、止めることなんかできないだろう」「ああするしか、重苦しい雰囲気から逃げる手はなかったんだ」というのが上司の言い訳でした。

■有能な人たちが愚かな決定をしてしまう

会議とは、多様な意見を持った人が集い、いろんな角度から問題を検討し、よりよい意思決定をするためのものです。ところが、会議にかけることで、個人では到底ありえない結論を導いてしまうことがあります。「集団浅慮」(グループシンク)と呼ばれる現象です。

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