大失敗を未然に防ぎたい まず取り組むべき対策は?第17回 ハインリッヒの法則

4つの視点でヒヤリ・ハットを減らす

実際に、どうやったらヒヤリ・ハットをなくすことができるでしょうか。

そのために欠かせないのが原因の分析です。大きく4つの要因が考えられます。それぞれの頭文字をとってシェル(SHEL)分析と呼びます。

1つ目にマニュアルや規則などの「ソフトウエア」(Software)に不備がある場合です。2つ目に設備や器具などの「ハードウエア」(Hardware)に不具合があるケースです。

3つ目が、職場や作業場などの「環境」(Environment)の問題です。4つ目に、ヒヤリ・ハットを起こした当人やチーム全体など、「人間」(Liveware)に不手際がある場合です。

必ずしもどれか一つにだけ問題があるわけではありません。まさに私の本棚もそうですが、ハードとソフト、環境と人間といったように、相互にからみあっていることが多いものです。

そうなると、環境(状況や手順)に人間(スキルや個性)を合わせるのか、人間に環境を合わせるのか。どちらがヒヤリ・ハットを防ぐのに効果的かを見極めなければなりません。

また、手慣れた定型的な繰り返し作業では、ヒヤリ・ハットは起きにくいものです。非定型のことをしたり、何か変化があったりしたときに起こってしまいます。

なかでも「初めて」(1回目に行うとき)、「久しぶり」(時間を空けて行う)、「変更した」(手順や工程を変えた)ときが要注意。より一層、気を引き締めてかからなければなりません。まさに「天災は忘れた頃にやってくる」ですね。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。