大失敗を未然に防ぎたい まず取り組むべき対策は?第17回 ハインリッヒの法則

ヒヤリ・ハットがあふれている

東日本大震災から早いものでもう8年。私は関西に居住しており、8年前は大事に至らずに済んだのですが、昨年6月の大阪北部地震にはビックリ。早朝だからよかったものの、仕事場の本棚から大量に本が落下する事態に。執筆中だったらケガをしていたかもしれません。

地震列島日本に住む私たちは、いつどこで大地震に遭うか予想がつきません。地震は避けられなくても、被害を減らすことはできます。その鍵を握るのが今回ご紹介する法則です。

東日本大震災の日、都内にいた人がどんな体験をしたか、東京都が詳細な調査をしています(「平成23年度ヒヤリ・ハット調査」、調査対象約4000人)。地震発生時にヒヤリとしたり、ハッとしたりした経験を尋ねたところ、一番多かったのが「本・書類等の落下」でした。私とまったく同じですね。自宅でも職場でも、本が危険なアイテムに変身するようです。

次に多いのが、「地震酔い・めまい等体調の異変」で、3番目が「テレビの転倒・落下・移動」です。以下、「揺れに対する恐怖・不安」「パソコン・OA機器類の転倒・落下」と続き、約2000件のヒヤリ・ハットが報告されています。

そのなかで危害につながったものが約40件ありました。約2%がヒヤリ・ハットでは済まず、ケガに至った計算になります。特に危ないのが「冷蔵庫の転倒・落下・移動」(12%)、「揺れによる転倒・ふらつき」(14%)、「食器類の落下・飛び出し」(9%)です。幸い「本・書類等の落下」は1%程度と、大事にはなりにくいヒヤリ・ハットのようです。

労働災害から導かれた経験則がある

1件の大きな事故の裏には、29件の軽い事故があります。またその裏には300件のヒヤリ・ハット、つまり事故にならないまでも、危険を感じた出来事が隠れています。

損害保険会社で働いていたH・W・ハインリッヒは、過去の労働災害を分析して、この経験則を導き出しました。世に言う「ハインリッヒの法則」です。

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