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学生の味方か敵か、就活カフェ

ホンネの就活ツッコミ論(96)

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今回のテーマは「就活カフェ」。学生は無料ないし安価で利用することが可能。カフェによってはカウンセラーが常駐し、就活相談にも乗ります。就活関連資料が置いてあったり、コピー機・ノートパソコンなどを貸し出すカフェも。そして、このカフェには様々な企業の採用担当者が出入りして話をしたり、セミナーを打つこともあります。

就活カフェは2010年代ごろから盛んとなり、現在は東京・大阪を中心に広がりつつあります。では、この就活カフェは就活生の味方になるのでしょうか?

源流は1960年代、始まりは2000年代?

就活カフェを定義するとしたら「学生は利用が無料または安価」「Wi-Fiや電源があり、就活相談・資料コーナー・コピー機などもあり利用可能」「運営はスポンサー企業が負担。代わりに出入りすることで学生との接触が可能」というところ。

ただ、起源はやや曖昧です。1番目だけ見ればその源流は1960年代~1970年代まで遡ります。当時、大手企業は自社内にリクルートコーナー(リクルートルームなどの別称も)を設置していました。学生は自由に利用できて企業情報も知ることができます。さすがに就活相談に乗るカウンセラーはいませんでした。

さらに時代が進み2001年になると大阪、神奈川、東京・渋谷などに若者専用のハローワークを各地の労働局が開設していきます。こちらは現在では新卒応援ハローワークとして47都道府県・主要都市に開設されています。さらに類似する就活支援拠点としてジョブカフェも各地で開設されていきました。新卒応援ハローワークは国・労働局が運営するため、企業がスポンサーとなるわけではありません。ただ、学生が自由に利用できる、という点ではこちらも源流の一つ、と言えるでしょう。

新聞雑誌を検索していくと、一番古い記事は2007年2月3日の読売新聞夕刊「気軽に相談『就活カフェ』 アドバイザー待機 企業説明会や支援講座=北海道」です。紹介されているのはジョブカフェと「ジョブ☆スタジアム 1・3カフェ」。後者は運営がジェイブロードという就職支援会社で、ひとまずこちらが元祖となりそうです。この就活カフェは現在も存続。ただし、就活相談は事前予約制です。2011年にはキャリぷら(大阪・本町)、2012年にはパソナが学職カフェを大阪に設置。2013年にはエンリッションが「知るカフェ」を開設しています。

各地に広がる就活カフェ

キャリぷらは関西や中四国の国公立大・私立大との強いコネクションを持ち、現在ではNHKや豊田通商など大手企業もスポンサーとなっています。東京・新橋にも展開。さらに経営は別企業になりますが、札幌にはキャリぷらplus北海道があります。学職カフェは札幌・東京(東京駅前)・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡の7か所で展開。それぞれパソナの各支店内にあります。利用料金は月1000円。

知るカフェは日本国内だと同志社・早稲田・慶応義塾など主要大学の近くに17か所。それと海外にも展開しています。大学の近くに立地している点が特徴。2017年には金融機関内に初めて就活カフェを開設(みなと銀行学園都市店)。利用者が順調に伸びたこともあり2018年にはみなと銀行が同行の関連ファンドを通じて5000万円投資、と金融専門紙「ニッキン」が報じています(2018年10月12日付)。同紙によると、「年間300万円で、毎月自由に学生との交流が持てる同店のスポンサー企業も16社に増えた」。

この他、就活カフェはirootsLOUNGE(東大・大阪大など6か所/エン・ジャパン)、就活CAFE(大阪・梅田)、カフェみくろす(愛媛県松山市)など各地にあります。

社会人と話すという点で学生にはメリット大

この就活カフェ、私は学生に利用を勧めています。付言しますと、キャリぷらplus北海道には特別アドバイザーとして2020年卒シーズンでは月6日前後、常駐しています。

キャリぷらplus北海道のスポンサー企業であるコープさっぽろの小濱貴洋採用グループ長によると、「早いうちから知っていましたし、その後、採用担当者になってからどんなところか見学に来たのです。私は学生の動きが全然わからず、それも知りたかったので。ひとまずスポンサーとなると、3人内定者が出ました。通常の募集ルートと違う接点が持ててこれは費用対効果が高いな、と感じました。個別に話せるので企業理解や業界理解にもつながる、と思います」。

キャリぷらplus北海道を運営する赤坂武道さんは、元は北海学園大学職員として18年在籍。うち11年は就活支援に関わっていました。「大学勤務のうちから、就活カフェを開設したい、と考え2016年に始めました。今年(2020年卒)も2月中旬からセミナーの参加者数は毎回、定員15人を超える約20人となっています。利用学生数は2016年開設以来、過去最高を更新中です。利用学生・参画企業、それぞれの満足度も高い状況です」(赤坂さん)

意見の押し付けなどでトラブルも

ただし、就活カフェはまだ日本の就職市場に登場して10年ちょっとしかありません。その歴史の浅さもあり、全ての就活カフェが企業や大学から歓迎されているわけではありません。
「就活カウンセラーが自分の意見を押し付けて誤った就活観を学生に植え付けてしまう」(商社)
「就活塾の劣化版でしかない」(機械)
「一度、ある就活カフェのスポンサーになったがあまり反応がなかった」(流通)
「大学キャリアセンターの指導とあまりにもかけ離れていて困る」(大学)
「スポンサー企業のセミナー参加をごり押しされた、と学生から苦情があった」(大学)
などなど。

ネガティブな評価をするのは企業・大学だけでなく、学生も同様です。
「カウンセラーのアドバイスがあまりにも古すぎて引いた」
「カウンセラーから常連学生とのモンハン大会に誘われた。そういうの、ありなんですか?」
「常連の学生ばかりでなかなか入っていくことができなかった」
「アドバイザーが自分の記事・本をやたらと勧めてきてうざかった」
 最後のは私への苦情でしょうか。すみません。

評価する意見もあれば、否定的な意見もあるため、2010年代前半にはあった就活カフェのうち一部は現在、閉鎖となっています。名前はさすがに控えますが、私も就活カフェのうち、いくつかで学生への接し方が相当疑問に思えるところを見聞きしています。

そのため、諸手を挙げて就活カフェのすべてがいい、とまでは言いません。ですが、採用担当者を含めた社会人との接点を持てる、という点では就活カフェは利用価値があるのではないでしょうか。私がキャリぷらplus北海道を中心に見ていると、大学の中だけでなく学外の学生とつながりを持てる、という点がメリットです。他大学生と話すことで、自身の就活がどこまで進んだかよく理解できます。就活カフェによっては模擬面接や模擬グループディスカッションもできますし、他大学生から意外な気付きも得られます。

ひとまず手近な就活カフェを利用してみてはいかがでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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