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日立ビルシステムに勤める吉成玲子さんはグローバルのマザー工場にあたる水戸事業所で財務を担当している。

日立ビルシステムに勤める吉成玲子さんはグローバルのマザー工場にあたる水戸事業所で財務を担当している。

日立製作所グループはエレベーターやエスカレーターなどの昇降機を戦前から手がける。同グループはものづくりの企業であり財務が強いことでも知られる。日立ビルシステムの財務本部水戸財務部で手腕を振るう吉成玲子部長代理に、財務のプロとしての心得や、育児をしながらチームを率いるノウハウなどを聞いた。

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昇降機の新設需要はアジアが中心

日立が第1号機エレベーターを納入したのは1932年。日本初の超高層ビルと言われる霞が関ビルディングや、大阪万博の会場に設置した260人乗り巨大円形エレベーター、近年では東京都庁、六本木ヒルズ、東京スカイツリーなど、約90年にわたり数多くの公共施設や商業ビルに昇降機を納めてきました。

昇降機業界は今、国内での新設の伸びしろは少なく、アジアの需要が活況です。日立の新設事業は中国市場が半数以上を占めています。2017年に世界最速の分速1260m(時速75.6km)を計測した、中国・広州市の「広州周大福金融中心」のエレベーターなど、アジア事業への注力は今後も続きそうです。

生活インフラとして社会に役立つ喜び

日立ビルシステムは、昇降機の設計、製造、設置はもちろんのこと、メンテナンスまでをトータルで手がけています。エレベーターで「BUILCARE(ビルケア)」という文字を見たことがある人もいると思います。納入後の保守管理は私たちの大切な仕事です。また、新設から20年を過ぎたエレベーターは、リニューアル工事も必要です。

私の仕事は財務ですが、会社の事業が社会インフラとして広く世の中に貢献できていることは、働き続ける大きなモチベーションになっています。町を歩いていても、テレビドラマを見ていても、自社のエレベーターやエスカレーターはすぐにわかります。当たり前に利用されていることが誇らしく、嬉しくなります。

経営戦略と数値を結びつけて意見できるのは財務だけ

新卒で日立に入社して以来19年、ずっと財務畑で働いてきました。日立は財務が強いことでも知られています。入社当時に言われた財務の心得に「常にひとつ上の職位の人と対等であるべし」という教えがあります。新人なら他部門の主任クラス、主任なら部長代理クラス、部長代理なら部門長や工場長たちと対等に渡り合って仕事をすべしということです。その教えの通り、部長代理である私は今、部門長や工場長、経営陣と同じテーブルを囲み仕事にあたっています。

私が勤務する水戸事業所は、グローバルのマザー工場で、この工場の数字がどう動くか、どう動かすかは会社にとって重要です。経営戦略と数値を結びつけて意見できるのは財務だけ。会社の状況、市場の動き、世界経済なども考慮し、現実を見据えた数字を提示しながら経営をサポートしています。財務の仕事は地味なようでいて、とてもダイナミックです。

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