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他人にどう見られるか振り返ろう~サークルの名前だけで大誤解も

ホンネの就活ツッコミ論(94)

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今回のテーマは「他人の目」。自分のことほどよく見えず、他人のことほどよく見える、と昔から言います。これは現代でも全く同じ。ついでに言うと、学生も社会人も変わりません。就活関連で言えば、学生はついつい、自分の話を優先しがちです。

では、その自分の話を初めて会う(あるいはエントリーシートを通して初めて知る)採用担当者はどのように見るでしょうか。

サークル名から誤解される

当連載の90回目「ペットボトルで就活が失敗も」が公開されると、それはそれは炎上しました。学生からの「余計なお世話だ」はある程度、想像していましたが、意外にも採用担当者からもIT関連企業を中心に「うちはその程度では落とさない」の反応も。

反応の是非についてはここではおくとします。私からすれば、ペットボトルを置くことの是非よりも、悪印象を持つ企業もあることを想像してほしかった、という思いからあの記事を書きました。同じことは、学生のアピールポイントについても言えます。

「趣味が同人誌制作って駄目ですか?」と聞いてきた学生がいました。同人誌とは漫画やノンフィクションなどを自身でまとめて印刷。同人誌即売会で販売する、というものです。同人誌即売会で日本最大のものはコミックマーケット、と言えば、同人誌が趣味でない方も聞いたことがあるはず。

さて、この学生が趣味やガクチカ(学生時代に頑張ったこと)で同人誌制作を上げると、書類選考でボロボロと落ちました。たまに面接まで進んでも反応が悪く、なかなか通過しません。結局、この学生は同人誌制作を隠す形で就活を乗り切りました。

私はこの質問を受けた当時(確か10年以上前ですが)、うまく回答できませんでした。同人誌制作への偏見が強いのか、とすら考えたのです。単なる誤解、ということがよく分かったのは、最初に同人誌制作について質問を受けてから数年後でした。

とあるメーカーの採用担当者と話す機会があった際、雑談で同人誌制作が出てきました。「同人誌制作をアピールしてきた学生がいますけど、これって数年働いてから漫画家としてデビューしたい、そういうことですよね? いまどきの学生は身勝手というか、なんというか」

その採用担当者が苦り切った表情で話していたのです。そこで、同人制作にいささか詳しい私が説明しました。同人誌制作は本当に趣味であって漫画家志望者は多くないこと。社会人でも趣味として割り切って同人誌制作をしている人が多いこと、などなど。

「漫画家志望が同人誌制作をする学生にいることは事実です。しかし、同じくらい、趣味は趣味として割り切っている学生も多い、これも事実です。どれくらいの部数を印刷して販売するか、表紙から内容までどうするか、色々と考える学生がいるので、そういった点を見ていかれたらどうですか」。こう話したところ、この採用担当者は「漫画家志望でないなんて考えもしませんでした」とつぶやきました。その後、面接をしていった結果、内定までつながった、と聞いてきます。この件で、採用担当者も含めて人は表面とそれまでの習慣や知見からしか判断できないのだな、と再認識しました。

同じことが、他のサークルにも言えます。「投資サークル→金融商品など売りつけられそう」「ミリタリー同好会→なんか、右翼っぽい」「自治会→学生運動?」

ところが。よくよく学生に話を聞くと、上記のイメージとは全く異なりました。「投資サークルで確かに株式投資などは個人でします。サークルとしては証券会社や金融機関などが主催する経済関連のコンテストに参加します。それもあってか、普段から日本経済新聞や有価証券報告書などはよく読みます」「サバイバルゲームをよく仲間でしています。相手チームをどう攻略するか、戦略を練る必要があって。それもあってか、アルバイトでもなんでも戦略にこだわるようになりました」「自治会が学生運動?うーん、30年も前の話で今は全く違うのですが...。うちだと大学祭実行委員会のようなものです。模擬店の場所決めなどみんないい場所を希望するので結構、神経を使います」

こうした説明があると、サークル名だけで偏見をもってしまう採用担当者も見方が全く変わってきます。

志望業界が違えば説明不要のときも

ここで重要な点はサークルなり趣味なりが誤解を受けるリスクあるものだったとしても、志望業界が異なれば変わってくる、ということです。

たとえば、冒頭で挙げた同人誌制作。この話を出版社勤務の知人に話をしてみました。「同人誌制作? うちもそういう学生、受けますよ。面白いですよね、同人誌もまったく方向性が違いますし。え?漫画家志望? いや、みんながみんなそうではないことくらい理解していますよ」。冒頭で同人誌制作=漫画家志望と誤解していた採用担当者とは全く異なる見解でした。念のため、同人誌制作について聞いたところ、さすがというか、よく理解しているご様子。

こういう企業・業界であれば同人誌制作をネタにしても誤解されることはありません。同じことは投資サークルであれ、他のサークルにも当てはまります。問題は、同人誌制作などを採用担当者が理解しているかどうか、よくわからない企業・業界です。むしろ、そうした企業・業界が圧倒的に多い、と見るべきでしょう。

私はその場合、誤解されるリスクを織り込んで、相手にもわかるような書き方を心がけてほしいと考えます。そうすればキーワードだけで誤解してしまう採用担当者も学生の良さを見つけていくのではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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