業績不振のキャンプ場を抱えた自治体は少なくない。スノーピークは、キャンプイベントなどのノウハウを生かしてキャンプ場再生に乗り出した。実際、宿泊売り上げが倍増し、物販の売り上げが5000万に達した例もある。同社は直営キャンプ場を増やし、新規ユーザーの獲得を狙う。

「スノーピークおち仁淀川」(写真/守口王仁)
「スノーピークおち仁淀川」(写真/守口王仁)

 スノーピークは全国のキャンプ場の再生などを通じて、地域の活性化にも取り組んでいる。

 同社は、「人生に野遊びを。」というコーポレートメッセージを掲げ、自然と共に生きることで人間性を回復するライフスタイル提案をミッションとしている。地方創生事業もそうしたミッションの延長上にある。

 「我々が持っているキャンパーの価値観や野遊びのノウハウを地域活性化に役立てたい」と同事業を推進するスノーピーク地方創生コンサルティングの前社長、上山桂氏( 2019 年1 月1 日付で、執行役員 経営管理本部長CFO 兼経営企画室長CCPOに就任)は言う。

 さらにもう1 つのバックボーンとして、スノーピークが燕三条に根を下ろし、企業活動を続けてきたこともある。同社は、地域に点在する金属加工などの町工場をオートキャンプ製品の生産に巻き込み、共に成長してきた。こうした経験を他の地域の活性化にも生かすことができる。

スノーピーク地方創生コンサルティング前社長の上山桂氏(写真/花井智子)
スノーピーク地方創生コンサルティング前社長の上山桂氏(写真/花井智子)

県外の利用者が年間約4000人

 スノーピークが監修したキャンプ場の中で最新の事例が、18 年4 月にオープンした「スノーピークおち仁淀川」だ。その名の通り、高知県高岡郡越知町の仁淀川沿いにある。仁淀川は四国三大河川の1 つで、透明感が高く独特な青色の流れは「仁淀ブルー」として知られている。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

NIKKEI STYLE

1
この記事をいいね!する
この記事を無料で回覧・プレゼントする