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梶原しげるの「しゃべりテク」

50歳を過ぎて「ネット再婚」 女性精神科医の夫選び

2019/2/14

■「良いところ探しアプローチ」で好感触

北村「20歳の頃(前の結婚時)は未熟でうぶだったから、こういう勘が働かなかった。今は人生経験も重ね、ネットの文字の解読は、毎日楽しむ、見ず知らずの人たちとのパソ通囲碁のやり取りで鍛えてきましたから。人の性格は使用語彙、句読点の打ち方などから漂ってくるんです」

その後、5往復ほどのメールのやり取りがあり、彼の趣味が水泳とピアノであることを知り、彼への好感度はさらにアップした。

北村「水泳が好きということは、少なくとも、健康であるということですよね。ピアノという楽器は、同じことを何度も何度も繰り返す単調さに耐える努力、熱心さがないと楽しめません。すなわち、彼は誠実な努力家だと判断しました。加えて、音楽に親しむなんて、感受性も豊かに違いない」

この「言語選択による心理アセスメント(診断)」は少々強引な感じもするが、結果オーライだった。

相手の「短所」にではなく、たとえわずかであっても「長所」を見つけ出し、それを資源(事態を好転させるためのリソース)」と考え、そこに焦点を当て、拡大させる「良いところ探しアプローチ」は心理療法の基本的姿勢で精神科医が大事にする技法でもある。これが功を奏した。

北村「私、お仕事も、年収も一切尋ねませんでしたが『お子さんは?』とはうかがいました。すると『います』とためらわずに言うんです。ああ、正直な人だなあと思いました」

その後、何度かのパソ通会話で、彼が、山梨でも相当な田舎に家があり、収入が少なく、子供がいてという「悪い条件」が重なり、パソ通以外でも様々な「お見合い相談所」をはしごしてみたものの「良縁につながらなかった」という話を直接聞いて、普通なら「やっぱり考え直そうかなあ」と思うところだが、北村さんの彼への評価は逆に上がったったのだという。

北村「正直な人だとの印象は、確信になりましたもの」

初の「生デート」の場所を彦根(滋賀県)に決めたのは北村さん。

北村「彼は、私が一人で住む大阪に来ると言ってくれたのですが、グチャグチャな部屋を見せるわけにはいかないから『2人の住む中間地点で会いましょう」と提案したんです。でも、彦根って山梨より大阪にずっと近いですよね、それでも嫌って言わないんです、いい人でしょう?」

■「未熟婚」超えを祝う

実際に会ってみると、清潔な身なり、さわやかな笑顔の男性に北村さんは「やった!」と思ったようだ。

その後、1年半ほどの「通い婚」を経て彼の住む山梨で同居をはじめ、名実ともに夫婦となり、現在に到る。

前回の「未熟婚」の15年間を超え、今の夫との結婚生活は18年となった。

最初の結婚期間15年を過ぎたところで「前をようやく超えたねー!おめでとう」と、互いに祝福し合ったのだそうだ。

現在夫はプラモデル、ピアノ、写真、日曜大工などの趣味を堪能しながら家を守り、妻は病院長兼精神科医として多忙な日々を送っている。

※「梶原しげるの「しゃべりテク」」は毎月第2、4木曜掲載です。次回は2019年2月28日の予定です。

梶原しげる
1950年生まれ。早稲田大学卒業後、文化放送のアナウンサーに。92年からフリー。司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)。「日本語検定」審議委員。著書に「すべらない敬語」「まずは『ドジな話』をしなさい」など。

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