働き方・学び方

知らないと大変!ビジネス法則

値札マジック「お一人様10個限り」はなぜ売れる? 第16回 アンカリング

2019/3/6

■機敏な対応のどこがまずいのか?

「え、納入が2週間遅れるかもしれないって。それはないよ。あれだけ念押ししたのに……」

「ですよね。せめて1週間程度に抑えられないか、先方と今から交渉してきます」

「悪いな。私のほうは、この遅れが全体の計画に響かないよう、他と調整してみるよ」

職場でよくある一コマです。ここで皆さんにお尋ねしたいことがあります。このやりとり、どこかまずいところはありませんか。

この手の話は、ビジネスでは日常茶飯事です。それを何とかするのが仕事であり、ビジネスは問題解決の連続です。そういう意味では、リスクを最小限に抑えるべく機敏に対処しており、悪いところはどこにもないように見えます。

そう思った方がいたとしたら要注意。まんまと思考のワナに引っ掛かってしまっているからです。それが、毎日忙しく仕事に追われている理由かもしれませんよ。

何が一番まずいかといえば、「納入が遅れる」という話をうのみにして、対処しようとしていることです。いずれにせよ、遅れることが動かせない前提となって話が進んでしまっています。

本来考えるべきは「どうやったら遅れないで済むか?(=予定通りにできるか?)」のはずです。

それには、「納期遅れは許せない」と相手を責めるだけではいけません。「そのために何が互いに協力できるか?」を一緒になって考える必要があります。それが、本当の問題解決ではないでしょうか。それでよい知恵が浮かばなかったときに、このような会話を始めるべきです。

■無関係な数字に引きずられてしまう

私たちには、先に与えられた情報がいかり(アンカー)となり、無意識にその情報の近くで考えてしまう傾向があります。「アンカリング」(係留効果)と呼ばれる思考のゆがみの一つです。

この現象を広く知らしめた行動経済学者ダニエル・カーネマンらが行った実験があります。

まず、ルーレットのようなもので実験参加者に0~100の数字をランダムに選ばせます。そのときに、一つのグループには必ず10、もう一つのグループには65になるように仕掛けをしておきます。その後で双方のグループに順番に2つの質問をします。

働き方・学び方 新着記事

ALL CHANNEL