心の底は見えるもの 失敗しない謝罪は「体で示す」第14回 メラビアンの法則

どんなに謝っても許してくれない

「俺がこれだけ言っているのに、まったく反省の色が見えないじゃないか。いいかげんにしろ!」。そんなふうに上司に怒られた経験はないでしょうか。

どんな不手際だろうが、起こってしまったことは、取り返しがつきません。できるのは謝罪と改善(再発防止)だけです。そう思って、「私の不注意でした」「申し訳ありません」「二度とこのようなことは」といくらいっても聞き入れてくれません。原因はどこにあると思いますか?

ミスの程度や上司との関係性など、理由はいろいろ考えられます。前科がどれくらいあるかによっても上司の態度は違います。単に、上司の虫の居所が悪く、報告したタイミングがまずかったのかもしれません。

といった話をする前に、そもそも謝罪の気持ちが相手に届いているか、そこから疑ってみてはどうでしょうか。「心から反省している」と受け取ってくれているかどうかを。

たとえば、言葉の上で精いっぱいの謝罪の気持ちを表していても、その口ぶりに「ハイハイ、私が悪いんですよね」といったニュアンスが感じられたら、相手はどう思うでしょうか。上司の忠告に、「また、それかよ」といった表情を見せたら、懲りていると思ってくれるでしょうか。

言葉で表していることと、体で表していることは、しばしば食い違いを見せます。これを「ダブルメッセージ」と呼びます。そのときに、相手はどちらを信じるかといえば、後者のほうです。体のほうが真実を語っていると判断するのです。

言葉以外のメッセージが重要となる

心理学者のA・メラビアンは、このような矛盾したメッセージを受け取ったときに、人はどのように受けとめるか、何を優先して判断するかを調べました。心理学的な実験を重ね、話し手が聞き手に与える影響を数値化することができました。

それによると、言語情報はわずか7%にすぎないというのです。こういう場面では、「何を語るか?」はたいしたことではない。そう言わざるをえません。

それに対して、声の大きさやトーン、話し方や話す速さといった聴覚情報は38%になります。話の内容よりも話し方が重要なわけです。

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧