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知らないと大変!ビジネス法則

企画を理解できないダメ上司 それは本当に正しいか 第12回 確証バイアス

2019/2/5

こんなふうに、肯定情報と否定情報の両方を集める必要があっても、前者にばかり目がいきがちになります。これこそ確証バイアスのなせる業です。かなり注意しないと無意識にそうなってしまいます。根が深い思考の癖であり、あまり軽く考えないほうが身のためだと思います。

■脳にスイッチを入れないと流される

先ほど「上司はばかだ」という話をしました。こういう偏見や先入観も確証バイアスを生みやすいので注意が必要です。

安易に「上司はばかだ」というラベルを貼ってしまうと、ばかな言動ばかり目につき、「やっぱり」「ほらね」となってしまうからです。否定される言動は考慮されず、どんどん「ばかだ」という先入観が強化されます。「レッテル貼り」(ラベリング)と呼ばれる現象です。

典型的なのが血液型による性格診断です。「A型はきちょうめん」といった科学的に根拠のない先入観を抱くと、そこばかりに目がいき、「やっぱりA型だからきちょうめんなんだ」と偏見がますます強化されます。男女差別、ネットの炎上、冤罪(えんざい)なども、この構図によって増幅されていきます。

私たちの日常は確証バイアスだらけです。完全になくすことは難しく、少しでも減らす努力を積み重ねていくしかありません。

まずは、バイアスが働いていることを自覚し、「本当にそうか?」「他に考えられないか?」と疑う気持ちを持つことが大切です。いわゆる「批判的思考」(クリティカル・シンキング)です。

「あえて逆に考えたら?」「仮にそうでないとしたら?」と“あまのじゃく”になって、反証を探すのもよい方法です。1人でやるのが難しければ、他人に質問してもらうのがお手軽な方法です。

手間がかかる上に、あまり心地よいものではないかもしれません。であれば、「ここぞ」というときだけでも結構。意識的に合理的な思考にスイッチを入れてみてはいかがでしょうか。

堀公俊
日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーで商品開発や経営企画に従事。1995年からファシリテーション活動を展開。2003年に日本ファシリテーション協会を設立、研究会や講演活動を通じて普及・啓発に努める。著書に「ファシリテーション入門第2版」「会議を変えるワンフレーズ」など。

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