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知らないと大変!ビジネス法則

2019/1/29

知らないと大変!ビジネス法則

では、なぜこうなるのでしょうか。内発的動機づけの元には、自分の意思で自分の行動を決めたいという「自律性」の欲求があるからです。さらに、自分にはやれる力があると感じる「有能性」の欲求や、仲間との絆を感じたいという「関係性」の欲求も関わっています。

にもかかわらず、外発的動機づけをされると、自分が主体ではなくなり、他人から統制されている感じがします。3つの欲求が満たされなくなり、やる気が下がってしまうというわけです。

そうではなく、保育士との交流を深めて苦労を分かち合うなど、3つのどれかに働きかけると減らせた可能性が大です。信頼関係という点でも罰金は逆効果といわざるをえません。

褒めればよいという話ではない

アンダーマイニング効果をどのように仕事やビジネスに役立てていけばよいのでしょうか。

2つの動機づけは、どちらか一方が正しくて、もう片方が間違っているわけではありません。それぞれメリット、デメリットがあり、相手や状況によって使い分けるべきものです。

たとえば、生活が貧しくて出世意欲のある方は、報酬や昇進に動機づけられます。逆に、それらがある程度のレベルに達した人は、熟達や貢献に意味を見いだします。そんな違いがあるのに、自分の物差しで相手を見て、動機づけを誤ってしまうことがあります。

「ボーナスアップだ」という外発的動機づけがやる気をそぐ相手もいる。画像はイメージ=PIXTA

成熟化した日本社会では、仕事に意欲的に取り組んでいる人の多くは、内発的動機づけで動いています。ところが、自分が外発的動機づけで動いていると、そんな部下や後輩を何かで報いてあげたくなります。「うまくいったらボーナスアップだ」「ノルマ達成したらおごってやるぞ」といった具合に。

これが、相手によっては、やる気をそぐ結果になるのはすでに述べた通り。それどころか、「金で人を動かす人なんだ」「自分もそんなふうに見られているのか」となり、関係が悪化しかねません。

アンダーマイニング効果を起こさないためには、お金や名誉などの報酬ではなく、言葉による報酬を使うのがポイントです。「よく頑張っているな」「そこまで君がやるとは」と努力や勤勉を褒めるのです。これなら、やる気が下がることはありません。

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