「おいしさ」「外食」を科学する サイゼリヤの進む道
「サイゼリヤ」創業者 正垣泰彦氏(13)
おいしさの数値化など関心は尽きない
イタリア料理店「サイゼリヤ」を創業した正垣泰彦(しょうがき・やすひこ)氏の「暮らしを変えた立役者」。最終回となる第13回ではサイゼリヤを支える理念について語ります。
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「会長がやってきたことは全部変えますが、理念だけは伝えられないので会長に頼みます」。就任時に堀埜(一成)社長はこう言ってきました。
「まさしくその通りなんだ」。会長が言うことばかりをやっている会社はダメになる。最高の人材を見つけたぞ。「まさに天から降ってきた奇跡だ」
被災地の仙台でトマトを生産
会長になって2年後の2011年、東日本大震災が発生。地元と築き上げた白河高原農場にも東京電力福島第1原発の事故で放射性物質が降ってきました。
「あしたには農家と一緒に機械を持ってすぐに仙台に行って来てくれ」。その日のうちに社員に指示しました。
一番大事なことは雇用を作ること。農家もみんな連れて行き、被災地の仙台でトマトを生産すれば、復興になるし雇用もできるだろうと思ったのです。
見つけた場所は仙台市若林区。地震が発生したばかりなので津波で土地は塩水につかったまま。がれきも残っていました。土地を整備してビニールハウスを建て、その中で鉢に植えてトマトを育てました。
7年がたった今も投資を続けています。白河高原農場もようやく除染が進み、牧草を植えたりオリーブの木を植えたりして前に進み始めました。
外食に最先端の技術、生産性高める
サイゼリヤが次に挑むのはおいしさの概念を数値化することです。皆さんはおいしさの定義を言えますか? 私たちはR&Dセンターを千葉の工場に設置しました。食べた時の脳波がどう変わるか、おなかがすいている時にお店の看板がどの位置ならお客さんが一番気付きやすいかなどを分析します。まさに外食を科学するというわけです!