ライフコラム

梶原しげるの「しゃべりテク」

「袖を通してスイッチオン」 服装はあなたを語る

2019/1/10

■服が本人の意識を左右

有吉「腰パンも、ジーンズなどをはいたカジュアル場面ではおしゃれかもしれませんが、これが制服だと違和感を呼ぶ可能性が高い。私は生徒さんによく言うんです。『服は常に何かをしゃべっている』って」

梶原「服装という見た目が、本人が思っている以上に強い非言語メッセージを伝えてしまうってことですね、不良っぽいとか。たとえばね」

有吉「着る服は、自己表現として人に様々なメッセージを届けるだけでなく、自分自身の役割を自覚するという、両面機能があるんです」

梶原「私も仕事以外はジャージー姿で近所をうろうろしてます。変なじじいだなあと思われているかどうか、どうでも良いんです。ところが、仕事に出掛けるときは、それなりの服を、仕事内容に合わせ用意しますね。服を選びながら、すでに仕事の段取り、何を話すかなどを考え始めてます」

有吉「ビジネスパーソンも朝、スーツに袖を通した瞬間、仕事モードにスイッチが入る人は多いと思うんです。仕事服を身につけることによって、『私的な存在』から『公的な立場や役割』に切り替える。子供たちもオン(学校で学ぶ)とオフ(学外や自宅でくつろぐ)を、服装によって切り替える。大人になって必須のスキルを制服から学んでもらうのも服育の一つだと思っています」

■採寸で実感する、子供の成長

昭和の昔、半農半漁の田舎町で小中学時代をぼんやり過ごしていた私が服装に目覚めたのは、横浜の貿易外語高校(現・横浜国際高校)という職業高校に進学が決まったときのことだった。制服は当時としては珍しい、紺のスーツにネクタイ。母と一緒に横浜のデパートに行った。人生初の「採寸体験」だった。

担当の男性がメジャーで首、肩、背中、腰回り、股下と計測した後、「じゃ、この真ん中のサイズを着てみてください」と促され、鏡の前に立つと、その人がネクタイを私の首のあたりに当てて言いました。

販売スタッフ「ほー、良い感じですねえ、腕と股下の調整だけでいけますよ」

これを見た母は、なぜか涙ぐみハンカチを目に当てながら「良かったねえ」と、いつになくしみじみつぶやいたのを思い出す。我が子の成長に、感慨もひとしおだったと、今ならわかる。

有吉「制服の採寸は、今でもすごく盛り上がるんですよ。採寸中の友人のブースから『肩幅47センチ、胸囲90』とかいう係員の声が聞こえると、『あいつ、スゲー!』なんて声が上がって。親御さんがいらっしゃる場合は、採寸用のお試し着を着用した姿をスマホで撮影して、おじいちゃんやおばあちゃんに送るケースが多いですね」

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