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「プロレスってこういうことか」 戸惑いから快感へ 元プロレスラー、天龍源一郎氏(5)

2019/1/16

デビュー前にドリー・ファンク・ジュニアとスパーリング(米テキサス州)=東京スポーツ新聞社提供

「昭和のプロレス」を体現した人気レスラーで、65歳まで現役でリングに立ち続けた天龍源一郎氏の「仕事人秘録」。相撲からプロレスに転向して数年間は、なかなか手応えを感じられない試合が続きました。

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鳴り物入りで全日本プロレスに入ったが、ショービジネスの要素には戸惑うことが多かった。

試合が終わって控室に下がるとき、何も拍手がなくて「何これ?」ですよ。お金を払って観に来ているお客さんが納得しないとショービジネスは成り立たないのを理解するのに時間がかかりました。相撲だったら勇み足でも不戦勝でも「おめでとう」と言われるのに、戸惑いばかりでした。

ファンは自分が求めていたものを与えてくれた演者に拍手を送る。相撲で言えば、昔は栃錦だったら上手出し投げ、若乃花なら仏壇返しとか得意技で決めると拍手をしていました。

今どきは最後まで頑張った選手や有無を言わせぬ勝ち方をした横綱にも拍手する。強くて涼しい顔して帰るレスラーには「高い金払ってるんだからもっといい試合見せんかい」という客が増えたのは確かですよ。

転換点は米国修行だ。とにかく日本で置かれた状況を変えたかった。

僕は4年半、米国へ行ったり来たりでした。最初は(ジャイアント)馬場さんが決めてくれた、トレーニングを兼ねた会社の方針。残りの3回は自分のふがいなさとか日本のファンの受け入れてくれなさがあって自分からお願いしました。

リングネームは「テンルー」。ノースカロライナ州のタッグチームでチャンピオンになり、お金に苦しまなくなったのがうれしかった。お金を稼げたときは食い物の心配をしなくていい。「ああ、がんばったなあ」と実感が湧きました。

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