キャリアもかぎ当てた調香師 女性初の研究所所長に高砂香料工業 フレグランス研究所所長、調香師 平野奈緒美さん

高砂香料工業の調香師、平野奈緒美さんはフレグランス研究所所長を務めるリーダーでもある。
高砂香料工業の調香師、平野奈緒美さんはフレグランス研究所所長を務めるリーダーでもある。

私たちは日々、シャンプーやトリートメント、柔軟剤、ハンドクリームなど、様々な香りに包まれ暮らしている。そんな香りを創り出すのが調香師。日本の香料業界の草分けである高砂香料工業(東京・大田)でフレグランス研究所所長を務める平野奈緒美さんに、調香師という専門職で重ねてきたキャリアについて聞いた。

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研究所全体を見る所長に就任

高砂香料工業は1920年に合成香料製造会社としてスタートし、まもなく創業100年を迎えます。現在は世界27の国と地域で、原料調達、研究開発、製造、販売など、香りに関して幅広い事業を展開しています。企業間の事業が主のため、個人のお客様と直接関わることは少ないですが、様々な食品や商品を通じて皆さんの暮らしとつながっています。

私が所長を務めるフレグランス研究所は、香水や化粧品、トイレタリー製品などに用いる香りの研究と商品開発のサポートを行います。研究所には社内でパフューマーと呼んでいる、香りを創る調香師、香りの評価を行うエバリエーター、香料を混ぜ合わせるブレンダー、応用開発する技術チームなど多彩な専門家がそろいます。私は20年以上パフューマーとして仕事を続け、1年半ほど前に所長に就任。研究所全体を見る立場になりました。

5~10年学んでようやく一人前のパフューマー

調香師という職業は日本では資格制度もなく、あまりなじみがないかもしれません。弊社のパフューマーは大学で化学・薬学系を学んだ人がほとんどです。皆、入社してから香りを学び、パフューマーとしての感覚を磨いていきます。

香りの原料はベーシックなものだけでも1000種類以上あり、そこから必要な原料を選びバランスを考え調合して理想とする香りを創り出します。そのためには、香りの分類やそれぞれの特徴、組み合わせた時の香りの変化などを熟知していなければいけません。香水の香りをかいで香料の配合を読み解く通称「鼻コピー」などの訓練を重ね、5~10年かけてようやくクリエイション(創香)ができる一人前のパフューマーになります。

私がこの仕事を始めた頃はパフューマーのほとんどが男性でした。今は半数以上が女性です。アウトプット先となる商品が女性をターゲットにしたものが増えたことも理由のひとつです。女性が所長を務めるのも私が初めてです。

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