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イタリアのピエモンテ州は農業が盛んなことでも知られる。写真はイメージ  =PIXTA

イタリアのピエモンテ州は農業が盛んなことでも知られる。写真はイメージ =PIXTA

イタリア料理店「サイゼリヤ」を創業した正垣泰彦(しょうがき・やすひこ)氏の「暮らしを変えた立役者」。第9回では野菜の自前調達に動いた時期を振り返ります。

◇  ◇  ◇

1990年にかけて、事業は順調に拡大してきました。イタリアに視察旅行するたびに、イタリアの野菜を使った料理が一番うまいと思っていました。特にピエモンテ州の青果は本当においしい。それならば。「イタリアから種を持ってきて自前で育てよう」と考えるようになりました。

どこかピエモンテ州と似ている地域は日本にないか。北から南まで日本各地に行き、1カ所見つかりました。福島県の白河地方にあった東村です。ピエモンテ州と緯度は同じで気候や風景も似ている。「ここに野菜の農場や加工工場を作ろう」とほれこみました。

構想の実現には13万平方メートルもの土地が必要です。「土地を売ってもらえるよう、地主をまとめてもらませんか」。東村に出向いて村長に直談判しましたが、地元は「地上げ屋じゃないか」と相手にしてくれない。村会議員や農家の皆さんにお願いして、千葉の本社に足を運んでもらいました。

「将来は1千店舗やります。東村からたくさんの野菜やコメを作ることができれば村おこしになります」。熱弁を振るいましたが、「うそだ。だまされるな」と白い目で見られました。店舗数が18店だったので信用されず、話は立ち消えました。

「うそつき」に耐え、10年越しで約束守る

がっかりしていた時に東村の農家の鈴木さんから手紙を添えて野菜が届きました。手紙には「私はおいしい野菜を作りたいんです」との言葉。うれしくて文通をするようになり、私が本気だと受け止めてくれて。鈴木さんが説得に回り、交渉が復活しました。

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