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「出国税」19年1月から、狙いは? 訪日促す環境整備

2018/12/17

出国税は外国人だけでなく、日本人にも課税される(成田空港で入国審査を受ける外国人観光客ら)

2019年1月から「出国税」が導入されるって聞いたわ。日本を訪れた外国人旅行者だけじゃなく、私たちも徴収されるらしいわよ。いつの間に決まったのかしら。なぜ今、出国税を新設したのかな。

出国税の導入経緯や課題などについて竹原津由さん(52)と丸山美幸さん(50)が石鍋仁美編集委員に聞いた。

――そもそも出国税とはどんな税金なのですか。

正式名は「国際観光旅客税」といい、「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保する」ことを目的とした税金です。訪日外国人のほか、海外に行く日本人も含め2歳以上なら飛行機や船で出国するときに徴収されます。国籍を問わず課税されるのは租税条約で差別が禁止されているためです。

金額は1人1回一律1千円。プライベートジェットに乗る富裕層も格安ツアー利用者も同じです。導入は2019年1月7日の出発から。元日スタートを避けたのは、正月旅行を対象外にすることで反感を和らげるためです。

恒久的に徴収する国税では1992年の地価税から27年ぶりの新税ですが、かなりのスピード導入でした。政府内で新税構想が浮上したのは17年夏。9月には観光庁が有識者会議を設置しています。

会議は数カ月の議論で新税構想をまとめ、与党も了承。18年2月に法案が国会に提出され4月には成立しました。必要性や財源の使途に議論が尽くされたか危ぶむ声もありました。「観光立国」を成長戦略の柱と位置づける首相官邸の意気込みを感じます。

――なぜ今、出国税を新設したのですか。

訪日外国人を増やすための財源を確保するのが狙いです。訪日客は17年に2869万人と過去最多を更新し、消費額は4兆4千億円に達しました。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年には訪日客を4千万人、消費額を8兆円に引き上げる目標を掲げています。

ただ、地方では外国語による表示や通信環境が整っておらず、外国人が旅をしにくいといった課題もあります。出入国手続きを円滑にするための設備も求められています。こうした課題の解消には費用がかかります。しかし政府の財政事情は厳しく、新税で財源を確保することにしたのです。年400億円以上の税収を見込んでいます。

出国税やそれに似た税、手数料などを導入済みの国が複数あることも、新税導入の根拠となりました。オーストラリアでは類似の出国税を導入済みで年800億円程度の収入を得ています。韓国でも出国客から、100円から1千円程度の出国納付金を徴収し、年250億円を確保しているそうです。

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