――良くなる裏付けは何だったのでしょう。

「ものづくりと接客です。高級品のあり方を考えたときに希少性が大事ですよね。資生堂は地区に5店舗あればすべてと取引します。それは素晴らしいことです。当社はその中で一番いい店と組ませて頂きます。東京・銀座だと三越しかないわけです。松坂屋の店を閉め、松屋には出しません。好き嫌いではなく、あくまでも流通戦略上の話です」

アルビオンの化粧品売り場では5千円以上の高価格帯品が高い人気を集めている(東京都新宿区)

「実は西武時代の経験が生きました。強いブランドが専門店をすべて閉めて、いくつかの百貨店に集中しました。それで外資の高級ブランドはどんどん伸びていきました。差別化が大事だと学びました」

志向に応じてシリーズ絞る

――ものづくりの面ではいかがですか。

「入社した頃、覚えきれないくらいの商品がありました。カタログも分厚い。理由を聞くと5歳ごとに対象を区切っているとのこと。それで『28歳の女性が30歳になったら違う商品に買い替えないとダメなのか』と聞くと『そういうわけでないが、マーケティング上そうなっている』と」

「そこでお客様の志向に応じて商品数も減らしました。潤いならこれ、目尻やほうれい線が気になったらこれ、アンチエイジング効果を期待するならこれと。6~7のシリーズがあったのを3つに絞りました。メーカーから購入した原料を配合して作るのではなく、独自原料で効果を実感してもらう商品にしようと」

――具体的には。

「今、秋田県の白神山地にある2万7000平方メートルの畑で50種類の植物を栽培し、5種類を化粧品に配合しています。あと北海道・剣淵で、発売から40年以上の『スキンコンディショナー』の主要成分のハトムギを農家に有機で作ってもらっています。薬草の宝庫のスリランカには植物原料の研究所があります」

――研究も自ら始めたのですか。

「そもそもはコーセーの子会社で、昔は研究所がなかったのです。そこで15年前から研究員の採用を始め、今は30人ほどになりました。今のコーセーの社長に理解していただき、研究所の独立を認めてもらいました」

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