働き方・学び方

知らないと大変!ビジネス法則

顧客開拓の鉄則 「とにかく10回会え」には根拠がある 第4回 ザイアンス効果

2018/12/4

■若手セールスマンへの意外なアドバイス

Aさんは工作機械メーカーの若手の営業担当者です。新たに受け持ったエリアに、まだ開拓できていない企業があることに気づきました。早速、パンフレット片手に営業をかけたところ、首尾よく購買担当の主任に会うことができました。

感触は悪くなかったのですが、すでに他社が食いこんでおり、「そのうち考えておくよ」と言われて帰らざるをえませんでした。この一件を上司に報告すると、意外なアドバイスをもらいました。

「相手のニーズを徹底的に探り、ピッタリ合った提案をもっていけ」「誰が決定権を持っているかを調べ、そいつにアプローチせよ」というのが、教科書的な助言だと思います。

なかには、「俺もついていってやるから2人で落とそう」「接待費をいくらでも使っていいぞ」という、懐の深い上司がいるかもしれません。ところが、上司がアドバイスしたのは、もっとシンプルな話でした。

単に「とにかく10回会ってこい」と。「セールスに直結しなくていい。ご機嫌伺いでも、ゴルフの話でも、何でもいいから顔を出して話してこい。会えなかったら、写真の入った名刺を置いて帰れ」と言うのです。

繰り返し顔を合わせることで、警戒心が薄れて、好感度が増してくるからです。「ザイアンス効果」(単純接触効果)と呼ばれる、心理学の原理の一つです。

■十人並みもかわいく見えてくる

米国の心理学者R・ザイアンスは、当人が意味を知らない言葉を実験参加者に繰り返し(1~25回)見せて、回数によって好感度がどのように変化するかを調べました。すると、回数が増えるに従って、好感度がアップすることが分かりました。単に接触を繰り返しただけなのに。

その後、多くの学者が同様の実験をしたところ、接触する対象をシンボル、写真、画像、図形、音、味、匂いなどに変えても同じ効果が得られました。ザイアンス効果は、人間の心にビルトインされた、かなり普遍的な原理のようです。

しかもこの効果は、接触している「時間」ではなく、接触の「回数」に関わっているところが、興味深いところです。

たとえば、最近のアイドルグループのメンバーの顔は、私のようなオジサンには似たりよったりで区別がつきません。たいした美人でもなく、どこにでもいる普通の子たちです。デビュー時は「たいしたことないなあ」「○○48のほうがよほどマシだ」と思ってしまいます。

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