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防犯カメラを監視する遠隔監視センター

防犯カメラを監視する遠隔監視センター

いろんな所で防犯カメラを見かけるわね。最近は顔認証の技術を取り入れたりして、カメラが「進化」しているって聞くわ。プライバシーの問題も気になるけど、どんなふうに使われているのかな。

防犯カメラの最新事情について、坂東橋なおさん(47)と斎藤かな子さん(36)が坂口祐一編集委員に聞いた。

――最近の防犯カメラには何か特徴がありますか。

防犯カメラは駅や銀行、コンビニ、商店街、通学路など、いろいろな場所に設置されてきました。国内でいま実際に稼働している防犯カメラの数は300万台とも350万台ともいわれています。

数が増えただけでなく、最近では「多様化」が目立ちます。東京都足立区に7月に登場した「みまもり自動販売機」はご存じですか。防犯カメラが内蔵された飲料の自販機です。並んだ商品サンプルの一つに小さな穴が開いていて、小型カメラが埋め込まれています。自販機は夜でも照明で明るく、様々な場所に設置しやすい。そんな特徴に着目し、警視庁とキリンビバレッジが導入しました。

「走る防犯カメラ」として期待されているのが、ドライブレコーダーです。「あおり運転」による事故などが報道され、一般の乗用車に設置する動きが広がっているからです。電子情報技術産業協会によると、2017年度の国内出荷台数は266万台超で、16年度の1.8倍に増えました。カメラを搭載し、施設内を巡回する警備ロボットも防犯カメラの発展した形だといえますし、ドローンに組み込まれた「空飛ぶ防犯カメラ」も登場しています。

――防犯カメラの機能は進化しているのですか。

新しい防犯カメラは、顔認証のシステムや人工知能(AI)などと融合する方向で進んでいます。スーパーや書店向けには、不審な動きを繰り返す人物がいると管理者に知らせる仕組みを持った、万引き対策用カメラが開発されています。金融機関のATMなどで、通常と異なるパターンの操作を検知する研究も進んでいます。顔だけでなく、歩き方の特徴や筋肉の微妙な震えをとらえるなど、カメラの進歩は日進月歩といえます。

各メーカーなどは以前からこうした技術開発を行っています。近年は特に資機材などのハード面だけでは海外との競争に勝てないため、よりソフト開発に力を入れているようです。また東京五輪・パラリンピックが開催される2年後が実用化の一つの目標になって、研究が加速している事情もあります。実際、「TOKYO 2020」は選手や関係者の顔写真をあらかじめ登録し、入場ゲートでカメラがセキュリティーチェックを行う史上初の「顔認証五輪」になる予定です。

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