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国語辞書はそれぞれに言葉の説明や位置付けが異なる(東京都千代田区の三省堂書店神保町本店)

国語辞書はそれぞれに言葉の説明や位置付けが異なる(東京都千代田区の三省堂書店神保町本店)

「三省堂 現代新国語辞典」の第6版が10月に発売された。この辞書は一般に「高校生向け」と言われている。実際、前書きには「この辞書の最大の特色である、高等学校国語教科書への対応をいっそう強化すべく」とか、「とくに高校生の方々を力強く支援します」とある。「大人が使える代物じゃないんだ」などと考えてしまいそうだが、それは見当違いだ。

まあ、誤解を招くかもしれない点があると言えばある。今回の最新版は雑誌やネットで紹介されるとき、「ネット言葉や、若者言葉も数多く記載」という点が強調されているケースもある。

「バズる」「マウント」「JK」「FF外から失礼します」「チャラ男」「誤爆」「草」「沼」――。こういった若者が使いそうな「新語」の記述が豊富なので、「それは若者理解にありがたい」と考えるおじさんだけではなく、「やっぱり高校生レベルの辞書なんだ」と甘く見てしまう向きがあっても不思議はない。

「豊富な新語」といったって、実際は8万語近い語彙のごく一部であり、それらも言葉のプロが時代背景や、それぞれの言葉の持つニュアンスをしっかり吟味したうえで記述しているから、「今、この時代に何が起きているのか?」を知るすべとして、大人にとってもけっこう役に立つ言葉が大半だ。

ここまで読んだ人の中には「梶原はこの出版社からカネでももらっているからヨイショしているのではないか?」という疑問を持つ人がいるかもしれないが、そういう話は一切ない。新しい辞書(改訂を含む)が出れば買って読まずにいられない「辞書フェチ」にすぎない。

ちなみに今回の発売を前にアマゾン・ジャパンで「即買い」したはずが、「お届けは11月あたり」という文字に後で気付き、慌てて近所の書店に駆けつけ別に1冊を購入。思わぬ散財をしてしまった。

性別にとらわれない「ジェンダーフリー」がとりわけ高校生向きの話題かどうかは知らないが、「現代新国語辞典 第6版」ではジェンダーフリーに関連する語句を、前回第5版と大きく変えて記述しているのも特徴のひとつだ。

たとえば「恋」の語釈。旧版ではこうだ。

「恋」:(男女の間で)相手が好きで、いつも会いたい、いっしょにいたいと思う気持ち(をもつこと)

一方、第6版はこうなっている。

「恋」:相手のことが好ましく、とても気になって、いつも会いたい、いっしょにいたいと思う気持ち(をもつこと)

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