間違いなのに全員同調 「メダカ会議」の怖さと対処法第3回 同調性バイアス

会議では周囲の振る舞いがプレッシャーになりやすい。画像はイメージ=PIXTA

 実は、8人のうち7人は実験への協力者(サクラ)であり、本当の回答者(実験参加者)は7番目に答えるように順番が決められています。つまり、前の6人の答えが、回答者の答えにどれくらい影響があるかを調べようとしたのです。

 結果は驚くべきものでした。1人で考えたり、前の6人が正しい回答をしたりしたときは、間違えることはほとんどありませんでした。ところが、前の6人全員がわざと間違った答えを選ぶと、それに同調して誤答率が35%にも上がったのです。

 さらに調べていくと、サクラが1人では顕著な同調はおきませんでした。2人から起き始め、3人になると誤答率が30%になり、それ以上の人数でもさほど変わりませんでした。

 また、回答者を2人にしたり、嘘をつくサクラの中で1人だけ正しい答えを言う人を入れると、誤答率がグンと下がりました。1人でも味方がいると同調圧力が大きく減るのです。

同調が起きる2つのメカニズム

 なぜ私たちは多数派に同調してしまうのでしょうか。

 社会心理学では、自分の判断に対する「情報的」な影響で説明をします。自分の意見や判断が正しくないときに、他者や集団の判断を頼りにしようとするのです。

 たとえば、地震や台風などの天災が起こったときに、何をしてよいか分からなくなることがあります。そんなときに、近所の人の行動をまねたり、友人がやっていることを参考にしたりします。

 災害時に一日中テレビをつけっ放しにする理由の一つが、世間一般がどう動いているのかを、総花的に教えてくれるからです。人は不安になると他者を手本にしようとするのです。

 もう一つあるのが、「規範的」な影響です。「みんなと違うことをすると、変な奴だと思われるのではないか」「嫌われて仲間はずれにされるのではないか」いう恐れです。

 同じく災害の話でいえば、隣近所が同じ行動を取っているのに、自分だけまったく違うことをすると、どんな陰口をたたかれるか分かりません。そのときはよくても、これからの近所づき合いに悪影響があるかもしれません。

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