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暮らしを変えた立役者

イタリア料理で店舗数世界一 原点は世話好きガキ大将 「サイゼリヤ」創業者 正垣泰彦氏(1)

2018/10/26

医者の祖父が周囲から慕われて、新鮮な食材をよくいただいたりしてね。生野町は山の中だからまつたけが採れるし、但馬牛のすき焼きを食べ、鮮魚も日本海から届く。家が裕福だった分、近所に食材をお裾分けしたり、母親が作った料理を持っていったり。偉ぶるつもりはないけれど、自然とやるようになりました。

そんな世話好きのガキ大将だから、集合写真はいつもど真ん中でした。小学2年の時、父親の都合で東京に転校することに。「おとなしくて、自宅から2時間かけて通う友達が心配です」。作文集に書いたのは気がかりになっていた友達のこと。旅立ちには駅で近所の人が総出で日の丸を振って見送ってくれました。

杉並の小学校への転校初日。給食があるからというのでお茶わんと箸を持っていくと、クラスメートがくすくすと笑う。田舎じゃあ当たり前で普通に持っていっただけなのに、田舎者とばかにされていると頭に来て、取っ組み合いの大げんか。すぐに東京でもガキ大将と呼ばれました。

■わんぱくの限りで親分肌の気性

問題児だったから子分もでき、田舎と同じように自然と悪賢いことを考えることに。「みんな何がしたい」と聞くと、「柿が食べたい」。じゃあ、のこぎりで近所の家に入って柿の枝を切ろう。川のすぐ横にある柿の木を切ると、そのまま川にどぼんと真っ逆さま。

食べるだけでは物足りない。余った柿を売って回ったところ、ばれて警察沙汰で大騒ぎになりました。泥棒みたいなことでも皆のためと何とも思っていなかったけど、勉強はろくにせず悪さばかりで母親に泣かれました。

正垣泰彦
1946年兵庫県生まれ。67年の東京理科大在学中に洋食店「サイゼリヤ」を始め、68年の卒業後にイタリア料理店に衣替え。73年にマリアーヌ商会(現サイゼリヤ)を設立した。99年に東証上場。09年に会長に就任した。

[日経MJ(流通新聞)2018年4月4日付]

(2)退学危機で心入れ替え 数学・物理伸ばし理科大へ >>

「暮らしを変えた立役者」は金曜更新です。

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