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チョーヤ梅酒の金銅重弘社長

チョーヤ梅酒の金銅重弘社長

口当たりの良さ、健康的な印象から女性に人気の梅酒だが、最近はウイスキーやジンに比べて話題に乏しい。最大手のチョーヤ梅酒(大阪府羽曳野市)は、プレミアム商品を投入したり期間限定のバーを開いたりと新しいマーケットづくりに挑む。金銅重弘社長は「今後はワインのように20年物などをそろえ、ブランドを熟成させる」と意気込む。

「本格」銘打ち安売りと一線

――最近、梅酒の話題がいまひとつです。

「確かに梅酒の市場はさえません。2017年の市場は16年比で数%減ったでしょう。今は一人でいろいろなお酒を飲む時代です。ハイボール、チューハイ、ワイン、日本酒……なかなか梅酒が出てきません(苦笑)」

――以前はおしゃれなイメージで、CMの好感度も高くて。

「1980年代後半からブームになって、女性の社会進出とともに梅酒の市場は急拡大しました。当時は原料の梅が品薄になるほど。テレビCMでも鈴木蘭々さんらを起用して、日経MJの年間CMランキングでも上位に入ったりしました」

「ブームになったことで、90年代半ばから新規参入が増えて、00年ごろから本格的に安売り競争に入ってしまいました。きっかけは、梅酒って安く作れることが『発見』されたことです。うちは一切やりませんが、梅の実を使わなくても、香料や酸味料を使えば、梅酒はつくれます。法律上もなんら問題ありません」

「梅の実は1キロ1000円くらいしますが、梅の風味を出すだけなら10円前後です。同じ土俵で勝負するのは無理な話で。そこで、梅の実を使った梅酒を『本格梅酒』と銘打てるよう、働きかけを始めました」

――なかなか大変だったようですね。

「日本洋酒酒造組合に認定されたのが15年1月でした。スーパーなどの流通、一般消費者への浸透はこれからです。安売り競争は11年の東日本大震災を機に落ち着きました。消費者の安心安全志向が高まったためです」

――プレミアム化を進めるため、16年に発売した高級な本格梅酒「The CHOYA(ザ・チョーヤ)」は好調なようですね。

「おかげさまで。新聞広告などでは『本物の梅酒』と銘打っています。そもそも梅の実を使うこと自体は普通なんですが。スーパーなどでは2リットルくらいの紙パック入りが中心ですが、ザ・チョーヤはボトル入りです」

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