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2015年末、社長を長男(左)に譲った(右は本人)

2015年末、社長を長男(左)に譲った(右は本人)

立ちそば店「名代 富士そば」を創業した丹道夫(たん・みちお)氏の「暮らしを変えた立役者」。第19回では長男に社長を任せた経緯を振り返ります。

◇  ◇  ◇

2015年12月、当時、東京・渋谷にあった本社の一室に、長男で副社長の有樹を呼んで「これから社長になってもらうよ」と伝えました。有樹は「はい、頑張ります」と一言。本人には4~5年前に「80歳になったら、社長を譲るから」と伝えていました。その間、彼なりにいろいろ準備をしていたようです。

有樹は1974年生まれです。立ち食いそばの事業がちょうど軌道に乗り始めた頃で、小さいうちは後楽園球場(現在の東京ドーム)に野球を見に連れて行ったりしていました。

小学校4年生になると、有樹はテニスにのめり込むようになります。中学、高校、大学とテニスを続け、卒業後は選手とコーチを掛け持ちして、さらに友人とテニスのイベント会社を立ち上げました。資金繰りにも相当苦労したようで、寝る間を惜しんで働いていました。学校を卒業して、そのまま大企業に就職するよりも、起業するという経験が将来、経営者として役に立つと思っています。

社長の長男でも現場からスタート

有樹が富士そばに入社したのは97年です。本人の希望通り、まず店舗で働いてもらいました。現場を知ることは会社を経営していくうえで欠かせませんから。

出店候補となる物件選びにも同行させました。店舗の前の道の広さ、人の流れなど、私自身が肌感覚で覚えたコツは言葉だけでは伝えきれません。分社化した富士そばの各トップが持ち込んできた出店案件の採否は真剣勝負。とにかく場数を踏ませることが肝心だと考えました。

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