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渋谷梨絵さんは自らを「コメを売る職人」と位置づける

渋谷梨絵さんは自らを「コメを売る職人」と位置づける

コメの新ブランドが相次いでデビューしている。それぞれの魅力を伝える人の役割もますます重要になってきた。「五ツ星お米マイスター」をはじめ、6つの資格を持ち、コメや雑穀の専門家として活動する渋谷梨絵さんはIT(情報技術)企業での勤務を経て、家業を継いだ米穀店の3代目。おいしいコメの普及に取り組む思いを聞いた。

◇  ◇  ◇

2011年を境に日本の家庭でのコメの消費量がパンの消費量を下回り、日本人のコメ離れは進んでいます。しかし今、コメ業界はにわかに熱気を帯びています。17年から日本屈指のコメ産地である新潟、宮城、福井県などから、県の威信をかけた新品種のデビューが続いています。

背景にあるのは、気候変動に対応できる「暑さに強い新品種」が必要になってきた栽培現場の切実な事情です。新品種の開発には長い時間がかかるので、各自治体は将来の温暖化を見据え10年ほど前から開発に着手。国による減反政策の廃止、種子法の廃止といった事情も関係して、この数年が新品種の発売ラッシュとなりました。

変化が続く消費者の「好きなコメ」

近年の消費者の傾向としては、コメに「モチモチ感」を求めるだけでなく、しっかりとした「粒感」を求める人も増えています。また、お弁当用の需要が根強いことや、家族が時間差で食事する機会が増えていることなどから、冷えてもおいしいコメを求める人も多くなっています。

業界では長らく誰もが「新潟県産コシヒカリ」を超える品種づくりを目指してきましたが、消費者の嗜好の多様化や生活スタイルの変化に応じて個性のあるコメが誕生してきました。好みや用途に合わせてコメを選べる時代を迎えています。

私は「五ツ星お米マイスター」という肩書のもと、テレビ番組でコメンテーターを務めるほか、本の執筆をしたり、企業の商品開発を手伝ったりと、幅広く活動していますが、本業は米穀店です。祖父が千葉県で始めた米穀店の3代目として、地元百貨店に店を構えていた父の商いのスタイルを受け継ぎ、現在、東京と神奈川の百貨店内に「米処 結米屋(ゆめや)」という店舗を構えています。

かつてコメは限られた販売業者しか扱えないものでしたが、私が家業を継いで間もなく制度が変わって届出制となり、スーパーマーケットなどでも扱えるようになりました。数ある選択肢から私たちの店を選んでもらうにはどうしたらよいか。15年たった今でも模索は続いています。

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