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現場主義を徹底するためにも、分社はいい選択だった

現場主義を徹底するためにも、分社はいい選択だった

立ちそば店「名代 富士そば」を創業した丹道夫(たん・みちお)氏の「暮らしを変えた立役者」。第17回では分社化に踏み切った時期を振り返ります。

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24時間営業していると、現場からは「アルバイトが急に来られなくなって人手が足らない」「麺の追加発注の方法がわからない」といった細かなトラブルの報告が四六時中あがってきます。店舗数が増えてくると、社長1人でなんでも決めるのは難しくなりました。

1人でさばけないとはいえ、単純に管理職を増やせば、本部組織が肥大化しかねません。そうなると、社長の指示がきちんと現場の隅々まで伝わらなくなります。いろいろ考え、解決するには分社化しかないと、思い至ったのでした。

1976年、富士そばの運営会社であるダイタンフードとは別にダイタン企画という会社を立ち上げました。分社するといっても、かなり独特な仕組みです。事業内容は2社ともにまるっきり同じ。新店舗の開発から店舗運営まで、独立採算で手掛けます。基本のメニューも同じです。

常務の次は係長という超フラット組織に

都内にしか店舗がなかった当時、あえて競争を促すため、会社ごとの担当エリアは設定しませんでした。独自メニューを作ることも了承しました。

分社化した会社のトップには本社の常務を充てました。組織をできる限りフラットにするため、常務以外は経理担当者と係長だけ。縄張りがない分、おのずと競争が促されます。常務といえど、オフィスにいては仕事になりません。有望物件は早い者勝ちですから、のんびりしている暇などありません。

係長は1人で4店舗を見て回ります。エリアマネジャーのような存在です。店が一定程度増えると会社をつくり、国内120店を超えた現在(記事初出時点)は運営会社が7社になりました。運営会社のトップは今でも、有望な物件を探し求めて外を駆けずり回っています。富士そばがいつもいい物件を探していることは不動産業界に知れ渡り、本社にある3台のファクスには毎朝、物件情報が送られてきます。

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