旅行・レジャー

耳寄りな話題

「十三」「杭全」「柴島」…難読地名、関西になぜ多い

2011/9/30

 そもそも漢字表記の太秦は「うずまさ」とは決して読めない。その土地を開拓した人たちによって「うずたかく品物や人が集まり、発展した」という意味がこめられたと吉田さんは話す。一方、漢字は土地の豪族が中国・秦を尊敬して、中国が栄える様子を表したのではないかとみる。つまり、漢字と読み方はそれぞれ独立して成立したわけだ。

 関西は長らく京の都を中心に政治・経済・文化が発展した。その歴史背景を踏まえることで理解しやすい地名もある。例えば大阪市淀川区にあり、阪急線のターミナル駅としても有名な「十三」。淀川の上流、つまり京都を起点に船の渡し場として13番目だったことが由来で、次第に読み方が変わっていったとの説がある。

 関西に難読地名が多いのは長い歴史の中で、読み方や表記が少しずつ変わっていったことも影響しているようだ。大阪市東淀川区にある「柴島(くにじま)」も平安時代には「国島」だったが、「国」が「柴」という字に変わり、読み方だけが残ったといわれる。大阪市鶴見区にある「放出」は「はなちてん」が「はなちで」になり、「はなてん」に変わったとされる。

 書店や図書館には難読地名を解説した本も多いが、「各土地の郷土史などをひもといて調べると必ずしも定説の通りではない由来もある」(吉田さん)という。

 城や古い寺を訪ね歩く人は多いが、難読地名を訪ね歩く人は少ないだろう。しかし、その背後には意外な歴史的事実が眠っている可能性がある。難読地名の新しい由来を探す旅も楽しそうだ。

(大阪経済部 佐々木元樹)

[日本経済新聞大阪夕刊オムニス関西2011年9月28日付]

ALL CHANNEL