行楽のお供のサンドイッチ
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パン自体の味わい楽しく
秋の行楽シーズンを迎え、サンドイッチをもってピクニックやハイキングに出かける機会もあるだろう。様々なベーカリーが工夫を凝らしたサンドイッチを作っているが、どんなサンドイッチがおいしいのか。サンドイッチに詳しい専門家に試食した上で、評価してもらったところ、1位はフランスパンにハムを挟んだだけのシンプルなものが選ばれた。
ビゴの店は兵庫県芦屋市に本店を構え、フランスパンが人気の店。10人の選者のうち6人が1位にあげたが、パンのおいしさをそのまま楽しめる点が高く評価された。
このほか、3位のクロワッサン、5位のチャバタ(オリーブオイルの入ったイタリアのパン)、8位のピタパン(中東の薄焼きパン)など、食パン以外のパンで作ったサンドイッチが多く上位に並んだ。肉や野菜などを使った多彩な具だけでなく、パンそのものも種類が増え、味の特徴を出しやすいことが高い評価につながったようだ。
一方、食パンにハムやタマゴ、ツナなどを挟んだ、一般的なミックスサンドは、似たような味になってしまいがちで、必ずしも高い評価につながらなかった。「食パンのサンドイッチは切断面が広く露出されてしまうため、調理後の劣化のスピードが速く、テークアウトには不向きな面もある」(君島佐和子さん)という意見もあった。
とはいえ、食パンをベースにしたサンドイッチは子どもの頃からなじんだ味。今回の調査対象となった21のベーカリーチェーンのうち、14チェーンで一番の売れ筋は食パンのサンドイッチだった。
なお、今回取り上げた店はいずれも複数店舗を展開しており、東京や関西地方などで購入できる。ただし、基本的なレシピは同じだが、店によっては取り扱っていない商品もあるので、問い合わせた方がよいかもしれない。
手作りなら パンと具、別に持参
自分でサンドイッチを作る時、一工夫すると味に変化がつく。松浦亜季さんは「下側のパンは具材の水分が染み込まないよう、マスタードを混ぜたバターを塗り、上側は粒マスタードをそのまま塗るとパンチのきいた味になる」という。
出来たてが一番おいしいので、食べる直前に作るのがよい。ピクニックなどの場合は、バターやマヨネーズを塗ったパンと具材を別々に持参して、現地で挟むようにするといいだろう。
デザート感覚でも楽しめる。牛尾則明さんの一押しは、上下2枚に切ったフランスパンにバニラアイスクリームをたっぷり塗る食べ方。ちょっと軟らかくなったアイスクリームでパンの口溶けもよくなる。
調査の方法 各チェーン店の売れ筋サンドイッチを専門家が試食し、順位付けした。都内および、関西(大阪、京都、神戸エリア)に店舗のある主なベーカリーが対象。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
▽石黒美穂子(写真家)▽牛尾則明(VIRONエグゼクティブシェフ)▽君島佐和子(「料理通信」編集長)▽坂田阿希子(料理研究家)▽杉渕水津(プレジデント社「dancyu」編集者)▽瀬戸理恵子(フードライター)▽永山忠義(誠文堂新光社「サンドイッチバリエーションブック」編集者)▽浜田美里(料理研究家)▽松浦亜季(麹町カフェエグゼクティブシェフ)▽吉田直人(柴田書店「アイデア・サンドイッチ」担当編集者)
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