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耳寄りな話題

2011/9/26

耳寄りな話題

ご当地感覚が反映されやすそうなラジオのコマーシャル(CM)はどうか。制作会社のライズ広告社(大阪市)は「話すスピードで大阪と東京の地域差を感じることはほとんどありません」と話す。

見方が分かれてしまったので、言葉の専門家を訪ねた。大阪教育大学の井上博文教授(国語学)は「関西人が早口だとは一概に決められないのでは」と話す。その上で「関西の言葉が早口に聞こえる理由には思い当たる節があります」と付け加える。「御堂筋をバーッと行って、角をドーンと曲がって」など擬音・擬態語の多用が言葉に勢いを与え、早口に聞こえるという。

「関西弁独特のイントネーションが早口ととられる要因の一つかもしれませんね」。アナウンサーや司会者、声優を目指す人をトレーニングしているオフィスキイワード(大阪市)の社長で、30年にわたってレッスンを担当している上田彰さんは指摘する。関西弁は言葉によっては標準語と逆の抑揚になる。聞く人が違和感を抱くと「早口」という印象につながる。

井上さんによれば「東西に関係なく現代の日本人は昔に比べて早口になっている」。情報量が飛躍的に増大する中で、相手に多くを伝えようという気持ちが自然にそうさせているのだ。「会話のスピードには人間関係や話題の重要性が大きく影響するのです」

関西に住んでいると、知り合いのオバチャンやオッチャンに猛烈な早さでまくしたてられ、圧倒されることがあるかもしれない。ただ「大した話やないけど、色々教えようとしてくれる気のいい人なんや」と分かれば、うれしく感じられるだろう。

(和歌山支局長 上田哲也)

[日本経済新聞大阪夕刊オムニス関西2011年9月21日付]

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